Confusion 2 (ページ47)

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トイレから戻ると、中村くんはテーブルにうつ伏せで寝ていた。

また寝てる……
寝ている中村くんの隣に座り、綺麗な横顔を見つめる。

"Aの中に俺はいる？"

その問いかけには、答えられなかった。

今まで中村くんから何度も好きとは言われていたけど、それに対して返事を求められることはなかった。
だから、なんて言ったらいいのかわからなくて。

でも、ちゃんといるよ。

私の心の中に中村くんはいる。

だって、こんなに一緒にいる人、中村くんしかいないし。
こんなに私のことを想ってくれてるのも、中村くんだけ。

中村くんのサラサラな髪に触れる。
何度か指を通していたら、中村くんの目がパチッと開いた。
え、やっぱり起きてた…？

びっくりしていたら、中村くんが起き上がり私の腕を掴んだ。
その手が、腕、肩、首、頬へと上がっていく。

私の頬に手を添えたまま、中村くんの顔が近付き、

唇に触れる直前で止まった。

「ここに触れたら止まんなくなりそうだから、やめとく」

そう言って、親指で優しく唇を撫でる。

「本当は、触れたいよ」

私を見つめる、中村くんの切ない表情。

「今すぐにでも触れたい」
「……」
「全部、俺のものにしたい」
「……」
「でもAが嫌がることはしたくないから」
「……」
「Aが俺のことちゃんと好きになるまでしない」

中村くんの切ない表情に、胸が締め付けられる。

「俺のこと、好きになってよ」