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まだ動物のフィギュアの前にいて、トラの置物をガチャガチャと触ってる中村くん。
「中村くん、ごめんね」
「ん」
私が話し掛けても、じーっとトラの置物を見てる。
……これは完全に拗ねてるな。
ちょっと話してただけなのに。子供か。
あーもうどうしたらいいの。
せっかく楽しんでたのに。
機嫌悪い中村くんの対処法なんてわかんないよ。
「ねぇ、中村くん」
優しく腕を掴んで話し掛ける。
すると、こっちを見た。
「…今の誰」
「高校の同級生だよ」
「元カレ？」
「違うから」
「あいつのことは名前で呼ぶんだね、俺は苗字なのに」
そう言って中村くんに少し睨まれた。
拗ねてる原因それ？
「俺のことは全然名前で呼んでくれないくせに」
「そんなこと言われても学生の時なんてみんな名前で呼び捨てじゃない？」
「しかもすごい楽しそうだった、俺といる時より」
「そんなことない。中村くんといる時も楽しいよ？」
何を言っても不貞腐れた表情の中村くん。
またトラの置物を触ってる。
時計を見るともう18時を過ぎていた。
そろそろ次行かなきゃだよね。
はぁ、、、
「海人…くん」
そう呼ぶと、勢いよく私を見た中村くん。
「今日、海人くんと出掛けるのすごい楽しみにしてて」
「……」
「海人くんのために、いつもよりオシャレしてきたし」
「……」
「だから、機嫌直して？」
精一杯の上目遣いで見つめる。
「……っ」
おっ！照れた！
「海人くん」
「ん、わかった」
「ほんと？」
「うん」
にこにこしながら私の頭を撫でる中村くん。
ふぅ、よかった…
「じゃ、肉食いにいくか〜」
「うん！」
すっかりご機嫌になった中村くんが私の手をとって歩き出した。
「腹減ったーー！にくーー！」
しっかりと私の手を握って楽しそうに歩く中村くん。
そんな中村くんが可愛くて私まで笑顔になっちゃう。
中村くんの扱い方、ちょっとわかった気がするかも(笑)
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作者名：みい | 作成日時：2021年12月4日 21時
