76 ページ27
今日は中村くんと出掛ける日。
クローゼットを見てもピンとくる服がなかったし、ちょうど新しい服も欲しいと思ってたから結局買いに行った。
変じゃないかな…
鏡の前で何度もチェックする。
もうそろそろかなと思っていると、中村くんから着いたとLINEが来た。
男の人と出掛けるなんて久しぶりでちょっと緊張する。
下に降りると、車が1台見えた。
運転席にいる中村くんはスマホを見ていて私には気付いていない。
近づいていくと中村くんが私に気付き、にこっと笑った。
「ごめんね、待った?」
「ぜんぜん」
助手席に乗り込む私の姿をじーっと見てる。
座ってからもまだ見られてる。
え、なに?
「…今日のA、いつもと違う」
ぽつりとそう言った中村くん。
この格好、変だったかな…
「かわいい」
「え、」
「俺のためにオシャレしてきてくれたの?」
笑顔でそう聞いてきた中村くん。
「別にそういうわけじゃないけど…」
中村くんのため、ってわけじゃないけど。
でも隣に並んでも大丈夫なようにちゃんとしてきたつもり。
「えーかわいい。超かわいいんだけど」
「……」
「ほんとにかわいい。かわいすぎて誰にも見せたくない。やっぱり今日俺ん家でいい?」
「はっ?」
「うそうそ(笑)行くよ〜」
笑いながらそう言って中村くんは車を走らせた。
764人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みい | 作成日時:2021年12月4日 21時