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薄暗い夜道を2人で歩く。
中村くんの機嫌とるなんてどうしたらいいのさ。
私には無理だよ。
「アイツ何なの?」
「え?」
「なんで今日アイツいるの」
アイツって、七五三掛さんのこと?
「なんでって」
「はぁ…ほんと腹立つ」
「ねぇ中村くん」
「なに」
「さっき七五三掛さんに失礼だったよ。いくら仲が良くても先輩にあんな態度とって」
「……」
「ちゃんと謝ってね」
中村くんがさらにムスッとした。
「なんでアイツの肩持つの?」
「別にそういうわけじゃないよ」
「何なの?好きなの?」
「え?」
「アイツのこと好きなの?」
「好きじゃないって」
「じゃあ…」
そう言って中村くんが立ち止まり、私の方を向いた。
「俺と七五三掛さんどっちがかっこいい?」
は?
「いやなにそれ」
「ねぇ、どっちの方がかっこいい?」
なんかめんどくさいの始まったんですけど。
今それ聞く必要ある?
「中村くんの方がかっこいいよ」
「ほんと?」
「うん」
「じゃあ俺と七五三掛さんどっちの方が好き?」
「え、」
そう聞きながら中村くんがどんどん私に詰め寄ってくる。
「ねぇどっち?」
「…中村くん」
「ちゃんと言って」
「中村くんの方が好きだよ」
そう言うと、中村くんの口元がゆるゆるになった。
「ふーん」
「?」
「そっかぁ〜」
にやにやしてる中村くん。
え、今ので機嫌直ったの?
ご機嫌になった中村くんが私の手を取って歩きだした。
中村くんって結構単純…
でもそんな所がなんだか可愛いなと思った。
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作者名:みい | 作成日時:2021年12月4日 21時