Confusion 2 (ページ12)

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私を見て微笑んだあと、私の手を取り優しく握ってきた。

「来てくれてありがと」
「うん」
「Aが来て元気出た」
「それならよかった」
「やっぱり俺はAがいないとだめなんだよ」
「……」
「Aがいないと俺死んじゃうかも」

私の手を握りながら、うるうるの瞳で見つめてくる。

なんだか照れ臭くて言わなくてもいいことを言ってしまった。

「私がいなくても、中村くんを助けてくれる女の人はたくさんいるでしょ」
「は？」

さっきまで穏やかな表情だったのに、一気に不機嫌になった中村くん。

「ほかの女なんて関係ねぇよ」
「……」
「俺はAがいいの」
「……」
「こういう時に傍にいてほしいと思うのはAしかいない」

余計なこと言っちゃったな…

そう思っていたら、いきなり握っていた手を引っ張られ、ベットの中に引きづりこまれた。

「ぎゃ！え！」

中村くんの長い脚でがっちり抑え込まれ、逃げようにも逃げられない。

「中村くん何するの！」
「変なこと言ったからお仕置き」
「はぁ？」
「今日は俺と一緒に寝ろ」
「私は明日も仕事なんだけど！」
「一緒に休もうよ」
「無理だって」

この人は全く聞く耳を持たない。
私を抱き枕のように抱きしめて寝ようとしてる。

「ねぇほんとに離して」
「やだ」
「中村くん嫌い」

そう言うと、この世の終わりみたいな顔をする中村くん。

「そんなこと言うなよ…」
「離さないと嫌いになりそう」
「……わかった」

しぶしぶ解放してくれて、やっとベットから出られた。

「ほんとに帰るの…？」

捨てられた子犬みたいな顔の中村くん。
ちょっと気持ちが揺らいだけど、もうその顔には騙されない。

「お大事にね、おやすみ」
「おやすみ…」

……中村くんがいなくて寂しかったから、早く元気になってね