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振り向くと、海斗が立っていた。

「びっくりした……どうしたの?」

何も言わない海斗。

「店、戻らないの?」
何だかよくわからなくて、そのまま店内に戻ろうと海斗の横を通ると

腕を掴まれた。

「え……」
「電話、誰?」

感情のない海斗の目。
言葉がでない。

「さっきの電話誰?」
「…元太」

その名前を出すと、海斗の顔が少し曇る。

「まだ、好きなの?」
「なんで…もう好きじゃないよ」
「じゃあさっきの何」
「さっきのって?」
「…好きだよって」
「聞いてたの…」
海斗に聞かれてたなんて…いつから聞いてたんだろう

「あれ何?誰のこと?」
「……。」
そんなの、本人に言えるわけないじゃん…
でも、上手い言い訳が思いつかない。


何も言えない私をじっと見つめる海斗。
「…俺には言いたくない?」
「言いたくない、じゃなくて言えない」
そう言うと、ため息をついて下を向く。
腕はまだ、離してくれない。


「なーにやってんの」

声がして、ドアの方を見ると海人がいた。

「どしたの?何か空気悪くね?」

笑いながらそう言った海人に、目で訴えて助けを求める。
すると、私の気持ちをわかったように微笑んでくれた。


その私たちの様子を見ていた海斗が言う。
「お前らって昔からそうだよな」
「……。」
「俺のいないとこでコソコソやって。お前らだけで通じ合ってて俺だけが知らないことたくさんある」
「そんなことないよ」
「あるよ。今だってそうじゃん。どうせ海人はさっきのことも知ってるんでしょ」
海斗の冷たい視線が痛い。

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みい(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです(;_;)完結までどうぞよろしくお願い致します! (2021年3月28日 16時) (レス) id: 8148b9aaf1 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 年下の男の子も大好きで新作を出されたと見てすぐに飛んできました!!どちらもめちゃくちゃキュンキュンします。。お話楽しみにしております! (2021年3月27日 22時) (レス) id: 962a0f2106 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みい | 作成日時:2021年3月27日 18時

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