奪いました。 ページ44
.
「赤司くん??」
赤司くーん!ともう一度声を掛けてみる。今度は手を彼の目の前でヒラヒラとさせたら、ハッとしたみたいに顔を上げた。
「会うってどういう経緯で??」
ずい、と身を乗り出して聞いて来る彼。近い、近いよ。
経緯も何も。 お幼馴染だし、今度部活の皆と東京に来るみたいだからそのガイド的な役割。
って簡潔に説明したら納得が言ったように頷いて下がった。ほっと一息。
「愛坂もくるよ」
「へえ」
「赤司くんもくる?」
「え、いいのかい?」
逆に来てくれた方が助かる。だってほかの人がいるとはいえ、そんなに会って無いから話しづらい訳で(一は別)その上リア充なんか居たらメンタルがやられる。
そんな私の心情を察したのか、ふっと笑った。
笑うな、こっちは至って真剣だよ。
「んーじゃあ行こうかな」
ちょっと上から目線に笑って、赤司くんは手を付いて覗き込むようにまた前の目に近づいてきた。さっきよりも近くて、胸がぎゅっと掴まれたみたい。
「あ!! もう休憩終わる! 私片付けしてくるね」
ちょうど時計が休憩の終わる時間を示したのをいい事にばっと立ち上がった。赤司くんの距離感は心臓に悪い。逃げた方がいい。
.
空のドリンクの容器などを持ってぱたぱたと体育館を駆け回わっていたら、モップがけを終えて着替えに行こうとしている赤司くんと目が合った。口パクで お つ か れ なんて言われたから私も同じように あ か し く ん も とだけ返事をしてまた動き始めたら次は愛坂と目が合った。
「……なによ」
「んー??いやあ?ね?」
仲良いなって。
にやにやと笑って口を抑えている愛坂にとてつもなくイラッとする気持ちが芽生えたけど、こういう時は無視だ、A無視だよ。
でもなんでだろう、顔が熱い。
そりゃあ、意識してるよ、好きにもなりかけ……あれ??
わたし、もしかして。
224人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
果汁ジノ%(プロフ) - はい!お気に入り登録してるので通知来たらマッハレベルで飛んでいきます! (2017年11月3日 21時) (レス) id: d083393dd1 (このIDを非表示/違反報告)
哀井(プロフ) - 果汁ジノ%さん» コメントありがとうございます! 更新して無さすぎて、自動的に 完結になっていますがまだ完結していないんですよね… 忙しくて更新が出来ない状況なので遅くなるとは思いますが ただ今執筆中なので、最後まで見て頂けると嬉しいです!!(*˙˘˙*) (2017年11月3日 21時) (レス) id: e5c79f34f5 (このIDを非表示/違反報告)
果汁ジノ%(プロフ) - 完結おめでとうございます!及川さんはこの後どうなったのですかね………(笑) (2017年11月3日 7時) (レス) id: d083393dd1 (このIDを非表示/違反報告)
哀井(プロフ) - 花*Knownさん» 綺麗な文章・・・有難いお言葉嬉しいです!読者様の応援が糧になります。更新については、やはり遅くなると思いますが、ラストスパート全力で書いて行きたいと思います! (2017年3月25日 22時) (レス) id: 9dc989b335 (このIDを非表示/違反報告)
花*Known(プロフ) - 哀井さん» 綺麗な文章に引き込まれました。更新頑張って下さい、応援しています。 (2017年3月21日 23時) (レス) id: 80c755237e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:哀井 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maaaa/
作成日時:2016年1月17日 1時