ミーハー女子、ヒロインの座を奪いました。

奪いました。 ページ39

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ボールの確認を終え、次の仕事をするため、体育館を出る。



そのまま部室へ行き、スクイズを数個とって水道へ向かい、スクイズに水を入れていく。

朝練は各自飲み物を持ってくる仕組みになっている。
だからこれは全部飲み終わった人用。



でも朝の少ない時間の練習だから全部飲む人は少ないよね。


いつもどうり少なめで良いか。




容器越しに、水が入っていくのが伝わる。

ひんやりとした冷たさがどこか心地よかった。




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全てのスクイズに水を入れ終わり、

かごに入れて体育館に持っていこうとかごを持ち上げたとき。



「Aちゃん！！」



大きな声で名前を呼ばれた。

振り返り見えたのは、切なそうな顔をする愛坂。






「ごめんね、ごめんね」




背中に伝わる衝撃と、叩きつけられた体から察するに、物凄い力で押された。

つい先ほどのことで口に入った砂が気持ち悪い。

とにかく、いたい。


「いた、」






「Aちゃん、この間自分でしたこと、皆に私にされたってうそついたよね！？ 私、青峰君に謝れって言われたの、してないのに……」



髪を掴まれて立たされる

思いもしない痛みに思わず顔を歪める。


今自分が置かれている状況を考えるべきなんだろうけれど、どうしてか朝練の時間大丈夫かなー、とか考えてしまう。


気付けば周りには部員が集まっていた。
どういうことかとざわざわとしている。その中にはキセキの皆もいる。赤司君も。


もうそんな時間だったんだ。

練習の時間がなくなるなぁ。なんてね。




「皆を騙さないで！！なんでこんなことするの……！！」


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「んなの、嫉妬してたからだよ！！！！」





め一杯声を上げた。

自分の中の思いとか、色んなものが溢れて、止め処なく流れてくるように。




視界の片隅で、赤色がくすりと笑ったような。そんな気がしたけれど、どうだろうな。





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