ミーハー女子、ヒロインの座を奪いました。

奪いました。 ページ20

*





「卑怯なやり方?正々堂々勝負しろ?」





「それでも負けるからこんなことになってんの!!」









「私今まで努力したよ。徹に可愛いって言ってもらいたくて!」




「髪の毛だって綺麗にして、自分磨きいっぱいして」





「徹の前では少しでも良く見えるように、頑張った」





でも、





「なんの努力もしてないあいつのことが徹は好きで」




あれ、
おかしいな。



ぽたぽたと溢れ落ちた涙は、
きらきらと頬を伝って、地面に影を作った。






「しょうがないんだよ、しょうがないけれど……なんッで」



悔しかった、


私がどんなに頑張っても、徹は私のことなんて好きになってくれないのに
たった一週間の合同合宿でそれが出来る愛坂が








いいじゃん、あんたにはキセキの世代がいるでしょう？
徹を取らないでよ、お願いだから





ねぇ、









分かってたよ。


うん、ちゃんと分かってた。




どう足掻いたって私の入る隙間なんてないんだって
だって徹、わざわざ私に電話してきたと思ったら、愛坂みおりちゃんって知ってる?なんて言われて

そりゃあ愛坂みたいに可愛かったら好きになるよなぁ。


だから、







「学校で一人になればいいって思った」





友達なんていなくなれ。


キセキの世代に嫌われろ。





そして、徹に泣きつけばいい。
そしたら愛坂と徹は結ばれて、私は徹に嫌われる。




そしたら諦めがつくから

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