短編集【wrwrd】 (ページ22)

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曰く、女は弱いから群れる。陰湿で性格が悪い。結婚したら家で待っているだけなのに亭主にも偉そうだ。妊娠したらもっとわがままになるし、仕事も辞めざるおえなくなるからあまり採用したくない。

最近は何でもかんでもパワハラだのセクハラだのとうるさいが、俺が入社したばかりの頃はそれくらい普通だった。最近の若者はメンタルが弱すぎる。

私だけでなく、周囲の女性たちにも振り撒かれるちくちく刺さる鋭利な言葉。中年でお腹の出た課長は、非常に古い考えの人だった。

「それにすぐ辞めるから困ったものだよね。あんなにすぐに辞めてたら他の会社でもやっていけないでしょ」

悪意があるのかないのか、課長はいつもそんなことを言っていた。みんなはいつも「そうですね」「困りますよね」と適当に合わせるだけである。

ここに入った新入社員はいつもすぐに辞めてしまう。課長のセクハラがひどいからだ。

給湯室で2人きりになると「彼氏いないの？」「初めて彼氏できたのはいくつの頃だったの？」「最近の子はデートでどこに行くの？」という話ばかり振ってきて、はぐらかすと「恥ずかしいよね」とゾッとするような薄ら笑いを浮かべる。

「娘がそろそろ生理が来そうだから」と毎月の出血量や症状、周期について聞いてきた時が1番気持ち悪かった。それが辞める決め手になったくらいには。

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