短編集【wrwrd】 (ページ12)

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今日は休日。もう付き合ってそこそこ経つ俺らは別にどっかデートしようとかは無く、いつも通り家でゴロゴロする予定。

何食べる？ってAが聞くから、恋しい布団から離れて2人で冷蔵庫の中身見て。何もないねって笑って。休みなんてだいたいいつもこんなもん。

「買い出し行かなきゃね。朝ごはんどうする？」

「俺コーヒーでええけどAは？」

「何も無いし、私もそれでいいや」

いつもは俺にちゃんと食えって怒るくせに、休みの日はちょっとゆるくなる。「自由に休んでほしいから、休みの日は文句言わない」って前言っとった。優しいとこも好き。ほんまはAも面倒くさいだけやろっていうのは言わんとこ。

適当にコーヒーいれて、Aのだけ砂糖とミルク多めにしたって。

猫舌のAはふーふー液面に息を吹きかけとる。可愛いけど、酸欠にならんのかな、煙草吸っとらん人は平気なんかもしれん。

Aのペースに合わせて濃いブラックを飲み干し、2人で並んで歯を磨いて。タバコとライターを持って俺はベランダに出た。

コーヒー飲むと煙草吸いたくなる。朝は特に吸いたいけど、コーヒーと煙草は相性良いから出かけた先の喫茶店に喫煙席がないと俺は割とイラッとする。近頃の世間は喫煙者の肩身が狭い。

「ショッピくん、灰皿」

火をつけて大きく息をつくと、カラカラと背後の扉が開いた。灰皿を持ったAが俺の隣に立つ。忘れとった。

「ありがと」