短編集【wrwrd】 (ページ11)

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煽んな shp ページ11

俺の彼女は世界一可愛い。

普段は言わんけど、ほんま何もかもが可愛い。

今日だって、俺より早く起きたらしいAは、しばらくベッドの上でスマホを触っていたが耐えられなかったようで。

「ねえ、ショッピくんってば」

やけに視線を感じると思ったら俺をゆさゆさ起こし始めた。本当はちょっと前から起きとったけど、ちらちら俺を見たり俺の手や顔に触れてみたりしているのが可愛くて狸寝入りをやめられなかったのだ。

「ねーえ、起きてよ……」

うぅ、とわざとらしく唸ってみせるとAは俺の腹の上でくたっと甘えはじめる。

可愛すぎんか。

えい、と声がするのと同時に、頬に彼女の指が刺さった。それでも俺が微動だにしないのを見ると、エスカレートして今度は唇をつつきはじめた。おもちゃちゃうぞ。

「カサカサ…リップ買おうね」

伝える気があるんかないか、Aが小さな声で呟く。囁き声みたいで年甲斐もなくドキドキした。

何度も唇をつつく指が口に入りそうで、ついかぶりと噛みたくなる。

「……起きないと顔に落書きするよ」

「そしたら俺はAの指噛むわ」

「えっ、起きてたの？」

目を開けると、俺の腹にまたがって目をまん丸にしとるAがいた。

「誰かさんが悪戯するもん」

寝起きでだるい体をもぞもぞ動かす。腹から降りたAが顔を近づけてきた。

「何」

「ねぐせ」

俺の前髪を撫で付ける顔はにこにこ笑っとる。それがめっちゃ可愛くてキスしたなったけど、寝起きだから我慢。歯磨いたらめちゃくちゃしたろ。

「おはよう、ショッピくん」

「おはよ、A」