無効化少女

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第七話ページ7

あの後、ヒーローに説教されていた出久と称賛をされた勝己を遠目で見守っていたが話が終わったのを確認して出久の方に近寄った
勝己はまだ、称賛されてるみたいだった

『勝己はまだっぽいし先に帰るよ。』

帰り道。ボクと出久の間は沈黙が続いたけど出久が申し訳なさそうに「心配かけてごめん…」と言っ
た。

『…ヒーローからこってり絞られた後にボクから言うことはないよ。』

不機嫌なのを隠そうともせずに言うと、もう一度ごめんと出久は謝った。
そんな中、後ろの方から「デク！！！」と、勝己の声が聞こえ振り返る

走ってきたのか息が切れ気味だった
てか、ボクは無視か。別にいいけどさ

「俺は…てめェに助けを求めてなんかねえぞ…！
助けられてもねえ！！一人でやれたんだ
無個性の出来損ないが見下すんじゃねえぞ…
恩を売ろうってか！？見下すなよ俺を！！
クソナードが！！」

お、おお…相変わらずのタフネスさ…

勝己は自尊心というか、プライドというか…
その辺が高いからなぁ…格下認識してる出久があの時自分のとこに走ってきたのが癪に障ったんだろうな

『出久…』

「…かっちゃんの言う通りだよ。
何かできたわけでも、変わったわけでもない。」

『そんなことは…っ』

何も知らない人から見たら確かに何もしてない様に見えるかもしれない
けど、ボクの目にはあの時、あの場所で一番の…

「大丈夫、これでちゃんと身の丈に合った将来を…」

「私が来た！！」

声をかけ損ねていたら、前の十字路からオールマイトが飛び出してきた

「お、オールマイト！？なんでここに…」

『さっきまで取材陣に囲まれてたのに…勝手に出てきてよかったんですか？』

てか、なんでボク達の場所知ってんの…

「抜けるくらいワケないさ！！
何故なら、私はオールマｹﾞﾎﾞｫｯ‼‼」

「わーーー！」

『今日だけで何回吐血するんですか、オールマイト…』

なんというか、この数時間だけで今までの印象が崩れていく感じがする

「少年、礼と訂正…そして提案をしに来たんだ」

オールマイトが出久に提案…？
これはもしかしなくてもボクは聞かない方がいいのでは…

でもこの空気の中で離れるのはそれもちょっとどうなのかと思う…

…うん、まあいっか。

ボクの葛藤をよそにオールマイトは話を続けていく