無効化少女 (ページ43)

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第四十三話ページ43

「散らして嬲り殺す！！」

黒い靄がボクたちの周りを覆い隠し声が反響する

靄の中では風が巻き起こり動けない

「白石っ！」

不意に誰かに腕を引っ張られた直後

『…へ？』

広場の頭上にいた

え。無効化が効かない…？
いや、違う誰かに引っ張られて…巻き込まれた？
え、ボクの個性で巻き込まれるってある？

『じゃねーわ‼ちょ、待って待って‼下乱戦状態のとこに落とされんの！？』

なすすべもなく落下していく状況に咄嗟に銃を取り受け身を取る

『う"あ"っ』

ガサガサッと木々にぶつかりながらもなんとか最小限のダメージで地面に転がる
落下した場所は乱戦状態の広場から少し離れたなんか森？みたいなとこで敵もそんなにいない。

それに幸か不幸か落下したことについて広場の誰も気付かれてないみたい
いや不幸の割合の方がバカ高いけど
落下直後に攻撃されるって最悪な状況にならずによかった…

受け身をとれたからダメージは少ないけどないわけじゃないし超痛い
落ちた際についた葉っぱや泥を落としながらどうするか考える

上に戻るにせよ階段を使わないと戻れないし
流石にこの壁のぼんのは無理。

けど階段使うにゃ広場通らないと無理だし…
そうすると敵にもバレるしなにより先生の邪魔になる

あの黒い靄の敵の個性はワープ…
ボクは無効化で効かないのは異形系のみのはずなのになんでワープに巻き込まれたのか…
巻き込み…そういや、靄に囲まれたとき誰かに引っ張られたような…

パターンとして考えると誰かに触れられてると個性干渉は無になるか偶発的に個性の調整…というかオンオフの切り替えができた…？

どっちにしろついてないな…

『さて…どうするかな…』

まあボクがここにいるってことを考えると他のクラスメイトもここのどこかに散らされてるって考えてもおかしくない

と、なると…

『どっかに手助けに行った方がまあよさそう…だなぁ。』

ここにいても何もすることないし、何もしないのはちょっと違うと思うし

あ、その前に…

『っと、あったあった。』

落下の際に落とした銃を拾い、隠れながら広場から近い水難ゾーンに向かう。

その時、水難ゾーンで大きな水柱が立つ

『やっぱり、誰か飛ばされたみたい…敵の個性か…クラスの個性か…』

どちらにせよ、ここよりかはあっちに行った方がまだ役に立てるはず…
水難ゾーンに向かおう

バレずに移動しようと思ったら…ちょっと大回りになっちゃうけど仕方ない
安全第一にね、移動しなきゃね