無効化少女 (ページ33)

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第三十三話ページ33

痛む身体をどうにか引きずり勝己が向かった方へ歩く。

勝己の姿が見えた瞬間、とてつもない爆発と風圧が襲った

『あんの、バカ！建物崩壊する気！？』

煙で前がよく見えないから迂闊に動けない･･･

「来いよまだ動けんだろぉ！？」

勝己まじで周りが見えてないな…
ボクがとめなきゃ…

なんとか、煙や瓦礫を掻き分けながら二人の方に行くと出久が逃げるのが見え勝己がそのあとを追いかける。

『勝己、ほんっと冷静になってって！！』

「いっつもてめえもうぜえんだよ！！
デクデク、ってよお！！」

『がっ、げほっ』

勝己の蹴り、直撃した…
や、っばこれ…

勝己は一瞬こっちを見たがそのまますぐに出久の方にいく

「なんで"個性"使わねぇんだ
俺を舐めてんのか⁉ガキの頃からずっと！！そうやって！！！

俺を舐めてたんかてめェはぁ！！！！」

「君がすごい人だから勝ちたいんじゃないか！！

勝って！！超えたいんじゃないかバカヤロー！！！」

「その面やめろやクソナード！！！」

出久、ワン・フォー・オール使おうと…
あれはまだ調整できてないいくせに人に使おうとしたら…
勝己のほうもさっきのをまた…

『あーもうほんっとこのバカ共は！！』

悲鳴を上げてる身体を引きずり立ち上がる

正直二人の喧嘩は邪魔したくないけどこればっかりは仕方ない

二人の間に入った直後先ほどまでとは比にならない爆音と爆発が建物全体を襲った

『っつ～～～いった…』

「な、んでてめぇが・・・」

勝己の個性はボクには無効されるけどそれまでの反動とかが無効されるわけではないから勢いついた勝己の平手は痛い…

あれ、でも出久の方は何も反動がない…

上の方から眼鏡君の悲鳴が微かに聞こえてきたので上を見ると屋上にまで穴が開いていた

『うっそ…やば…』

「そういう……ハナっからてめェ……
やっぱ舐めてんじゃねぇか……！！」

わなわなと体を震わせる勝己に反射的に腕をつかむ

「使わない、つもりだったんだ…使えないから…
身体が衝撃に耐えられないから…相澤先生にも言われて…たん…だけど」

出久の方を見ると煙がだんだんと晴れ出久の状態が見えてきて、息を呑んだ

「これしか…思いつかなかった…！」

左手…
勝己の行動を読んで…

「ヒーローチーム WIIIN!!!」

ふと、そんなアナウンスが聞こえたあとドサッと出久が倒れた

『っ、出久！大丈夫！？っ…』

身体中が軋むように痛い…
全部勝己のせいだけど！！！

ふと勝己の息が荒くなったのが聞こえ振り返る

『勝己…？』

なんか、様子が…変。