無効化少女

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第四話ページ4

風圧が収まりヴィランは散り散り
出久は風圧の衝撃で気を失ったみたい
そして目の前にいる超有名人

…いや状況が呑み込めないんだけど…
この人、オールマイトだよね？

え、今目の前で出久の頬をぺちぺち叩いてる人って人気ナンバーワンヒーローだよね？
え、え？

落ち着いて状況を飲み込もうと深呼吸をしてると出久が奇声をあげなから飛び起きた

『出久っ‼よかった…』

「いやあ悪かった‼ヴィラン退治に巻き込んでしまった‼
少女も大丈夫だったかい？」

『え、あぁはい。ボクは平気です…』

急に声を掛けられびっくりしながらも返事を返す
今もオールマイトが話していたけど正直それどころではない

ヒーローに憧れてるわけでもないけど超人気ヒーローが目の前で喋ってたら誰でも混乱するって
混乱しすぎてぼーっとしてたが出久のオールマイトを引き留める声にはっと正気に戻る

「それでは今後とも…応援よろしくねーー！！」

と、オールマイトが飛んでいき風圧に飛ばされないよう踏ん張り収まった後まだボクはぽかーんとしていた

『はぁ…びっくりした…出久、だいじょう…あれ？』

後ろの出久に話しかけようと振り向くがそこには出久はいなかった
数秒考えたのちにある可能性にたどり着いた瞬間、ボクはオールマイトが飛んで行った方に走り出す

『まさか、あいつっ！』

あのヒーローオタクの出久ならやりかねない…
もし出久がオールマイトにしがみついていったのなら安全確保のため近くに降りるはず

暫く走っていると土煙が上がっているビルを発見してボクはそこ目掛けスピードをあげた

ビル内の構造は簡易だったので階段を駆け上る
息を切らしながら屋上への扉を開けようとドアノブに手をかけたその時

「個性がない人間でもあなたみたいになれますか⁉」

ボクの動きは止まった
今入って邪魔しちゃいけないと思ったから

やっぱりこのまま帰ろうかと、Uターンしようとした時出久の絶叫が聞こえ条件反射にドアの先に入ってしまった

『出久っ、なにかあ…んえ？』

出久と一緒にいるのはオールマイトだとてっきり思っていたが
そこにいたのはやせ細ったオールマイト似の人だった

「しぼんでるうううう！！？
え！？さっきまで…え！？
ニセ！？ニセ者！？細おおお‼」

ボクより混乱している出久を見て少し冷静になれた
冷静にはなれたけど状況が未だに掴めないんだが