無効化少女 (ページ15)

今日:18 hit、昨日:3 hit、合計:45,027 hit

第十五話ページ15

あの日から、ボクは出久とは別のトレーニングを始めた
といっても、基礎体力向上のための時は一緒にやらせてもらってるけど。

ボクは新たにパルクールというものをトレーニングの一環に加えた

パルクールって走って飛んで登ってって動作鍛錬にもなるし
慣れたらどんな環境下でも素早く動けるようになるみたい

流石オールマイトというか、ボクの要望に合わせて最適解のプランを用意するのは普通に尊敬する。

ボクの要望は、機動力向上。身体能力ではきつい部分が出始めていたから前々から考えていたワイヤーガンとかを使おうかと思っていたことを伝えると、それにぴったりのトレーニング方があるといわれたのがこのパルクールってわけ。

確かに前より機動力は上がったし動きの幅も増えたし身体能力の底上げができた気がする

そんな感じで残りの3カ月ボクらはみっちり無駄な時間を過ごさずに入試当日の朝を迎えた

『はー…さっむ。』

朝と寒さ。どっちもボクの嫌いなもので
その両方が重なる冬の朝は本当に嫌いだ。

まあ、嫌いっていっても起きなきゃいけないんだけどさ。

部屋の暖房を少し温度をあげ、海浜公園に行く準備をする
ボクはもこもこに身を包み家を出る

もう入試かぁ。早かったな

10か月みっちり鍛えたから周りの受験生達と同じ土俵には立ててるはず。
あとはボクの見立てが外れなければ合格ラインは余裕で狙えるはず

そんなことを思いながらいつもの海浜公園に行くと、見違えるように綺麗になった砂浜から水平線が見えた。

『すご…あんなゴミ山だったのに…』

掃除をした張本人が見当たらなく、砂浜に降りる

『出久！オールマイト！』

「白石少女！グッドタイミングだ！
今から、緑谷少年の授与式をやるところだったんだ」

ボクはオールマイトの隣に立ち出久を見る。
10か月前とはほんと見違えるぐらいムキムキになっちゃって…

「これは受け売りだが、最初から運良く授かったものと認められ譲渡されたものでは
その本質が違う！」

そう言いながら自身の髪の毛をとるオールマイト
…髪の毛？

「肝に銘じておきな。これは君自身が勝ち取った力だ！！」

良いことをいってるのに、その手に持った髪の毛が気になってしまう…
そんなことを思っているとおもむろに髪の毛を出久の前に出し

「食え」

「へあ！？」

「別にDNAを取り込められるなら何でも良いんだけどさ！さァ時間ないって！」

「思ってたのと違いすぎる…！！」

まったくその通りだね…