無効化少女 (ページ10)

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第十話ページ10

「私は隠し事は多いが嘘はつかん！」

「力を譲渡する個性…それが私の受け継いだ個性！
冠された名は『ワン・フォー・オール』！！」

「ワン・フォー…オール…」

一人はみんなのため…？
確かに名前だけ見ればとてもヒーローっぽいけど

「一人が力を培い、その力を一人へ渡しまた培い次へ…
そうして救いを求める声と義勇の心が紡いできた力の結晶！！」

「そんな大層なものなんで…何で僕にそこまで…」

確かに。この情報が真実である場合、世界中の人間がこの力を欲するのでは…
特に出久みたいな無個性な人間は、喉から手が出るほどほしいものでは…？

「元々後継は探していたのだ…
そして君になら渡してもいいと思ったのさ！！」

「"無個性"で只のヒーロー好きな君は
あの場の誰よりもヒーローだった！！！」

「まァしかし、君次第だけどさ！どうする？」

「お願い…します！！」

「即答…そうきてくれると思ったぜ！」

オールマイトと出久が盛り上がってる中、ボク一人だけ蚊帳の外なんだけど、ちょっと…

…これ、ボク聞いてよかったのかな。
だけど、ここまで聞いた以上なかったことにするってのもなぁ…

『…出久、そろそろ帰らないとおばさま心配するんじゃない？』

「え、あほんとだ！えっと、じゃあオールマイト…」

「ああ、これ私の連絡先だ。また後でこれからのことを連絡させてもらうよ」

「あ、ああ！ありがとうございます！！！」

オタクが出てるなぁ…

連絡先の紙を受け取り、走り去っていった出久を見届けボクは切り出す

『…盗み聞きの様に秘密を聞いてしまいすみません。』

「いや、大丈夫さ。私も君になら話してもいいと思ったから敢えて一緒にいるときに話したんだ」

『…そうですか。』

なら、ボクが気を負う必要はないか。

『では、ボクもこれで。出久のことよろしくお願いします』

オールマイトに一礼して、ボクも家に帰る

『なんか、今日はとても濃い一日だったな…』

明日からきっと、出久は鍛えられるのだろう

ボクはどうしようか。