狐、オメガです【呪術廻戦】

Ωの狐が14匹 ページ15

そこからは普通に学校へ行き、普通に授業を受けた

ヒートはほぼ治まっている
呼吸は楽だし、体温も高くはない


今夜は虎杖もいるし、安眠できそうだ
上機嫌で夜を迎える






『虎杖ー…？』


コンコンとノックを鳴らせば中から「入ってー」と返事がする
良かった、宿儺パターンはもうこりごりだからな


『お邪魔しまーす』

ドアを開けるとベッドの上で虎杖が待っている
半ば飛びつくように虎杖に抱きつく



『うあ"ー…この感じ、この感じを求めていた…』



すりすりと虎杖にくっつくとポンポンと頭を撫でてくれる
純粋に甘やかしてくれる虎杖はここでは貴重な存在だ


今はヒートも引いてるからフェロモンも飛ばないし



『さいこー…』



虎「声がとろけてんぞーw」


なんだろ
兄がいたらこんな感じなのか…
まぁ、タメだけど


『ヒート中だったから、少し大変だったんだよね…』


虎「今回は誰の匂いだったの？」


『五条せんせ…』



死んだ目でそう言うと虎杖は同情するように「あぁ…」と言う


『…あれ？でも今回襲われてないような…』


虎「え、あの五条先生が？」



『うん、あの五条せんせが』



そう、虎杖でも驚く程なのだ
悟は年齢の割に子供らしいところがある
自分の物、と決めたら離さないし、誰にも譲らない





俺だって、ただ俺がΩで生徒だから悟が構っている、なんて鈍いことは言わない


ただそれは、好意か、庇護欲か、興味本位か、それとも呪い(愛)か__
分からないし、自分から分かろうとする意味もないと思っている



虎「A？」


『…！……ん、少しぼーっとしてた』


そう言って笑うと
虎杖は背中を撫でる


虎「…。俺は五条先生とか他の奴らが何考えてるのかとか分かんないけど、AはAの好きなようにすればいいんじゃねぇの？って思う」


『…好きなように？』


虎「Ωとか関係なく、Aがそうしたいって思ったことすればいいじゃん」



Ωとか…関係なく…
うーん、と考え込んでしまう


虎「あー！それそれ！その考え込み！あんま考え込むと分かんなくなってこねぇ？」


『それは…確かに』



そんなに表に出ていたか
でも本当にそうだ
考え込むと何が正しいのか、最初に考えてたこととか頭から消えるんだよな


虎「はい！今日のAの営業は終了しましたー、…今はゆっくり寝とけ」


抱きしめられたままベッドに倒れて布団を掛けられる
背中は一定のテンポでトントンと撫でられる




あ、これやばい…ねる____

Ωの狐が15匹→←Ωの狐が13匹

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す