狐、オメガです【呪術廻戦】

Ωの狐が12匹 ページ13

『…切れない、って…』


まさかっ…
俺は急いで耳と尾の神経を切る

宿儺は楽しそうに笑いながら俺の耳を噛んだ



『い"っ…』


痛みはしっかりと伝わってくる
神経は切ったはずなのに
どういうことだ…



宿「考える暇があるとは、随分余裕だな」


『待っ……』


宿儺がこちらの言葉など聞く訳もなく
身体中に噛み跡を残していく

噛む力の加減が全くないので
快楽などなく、ただ痛みだけを感じる


『うっ…』


じわ、と涙が浮かぶ
そんな俺を見て宿儺は更に笑う


宿「抗ってみせろ、頑張れ頑張れ」


『…っ』


顔を近づけてくる宿儺の唇にガリッと噛み付く
腕も体も動かせない
それなら噛み付く他ない



宿「っは、…紛うことなき獣だな」


『そんな獣も手懐けられねぇのか、呪いの王様よぉ』



唇に付いた宿儺の血をペロリと舐めてみせる
俺の腕を押さえる手に力がこもる
ミシッと嫌な音がする


宿「面白い。精々よがり狂え」


『…っあ』








宿儺の生得領域から出られたのは
朝日が昇ってからだった



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目が覚める

床に倒れている体を起こす




『あいつ…思い切りやりやがって…』


体中が痛い
だが痕は残っていない


…傷や痕、形になるものは残っていないが
体のダルさや、痛さは残るようだ



『…虎杖は、寝て……いや、起きそうだな』


ゴソゴソと音がする
数秒するとむくりと起き上がる虎杖



虎「ふわぁ………うわっ、なんでAいんの」


『…い、癒してもらいに？』


虎「なんでこんな朝に」



言えない
さっきまで宿儺とシてたとか言えない

『うん、…まだ朝早いからちょっと寝かせて』



はぐらかすように虎杖の布団に潜り込む
当たり前だが温い


虎「いや、俺ランニングしてくるけど」


『…。わかった、帰ってきたら起こして』


今は少しでも寝たい
じゃないと登校できない


虎「別にいいけど、…それ伏黒じゃダメなの？」


『…虎杖がいい』


優しさがいる
今の俺には優しさがいるんだ…
宿儺にはない優しさが()


虎「ふーん…分かった、おやすみ」


ポンポンと頭を撫でられる
…落ち着く
瞼が下がっていく_


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『すー……すー…』

虎「…子供みてぇ」

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