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狐が35匹 ページ39

『…そういえば、3人は?』


任務から帰ってきてから3人を見ていない
他の任務だろうか


五「3人はAとは別で任務」



やはりか
せっかくなら着いていきたかった…
くっそ、この任務がなければ


五「こら、余所事考えない。呪力馴染ませるのに集中する」


『集中って言われても…』



高熱を出した時のような症状
この中で集中なんて出来るわけがない
何かを考えようとするとすぐに目眩が襲ってくる



五「呼吸を深く、呪力を血液と同じように流れさせる」



『…っ、…』



無理やり深呼吸をする
それを見た悟は「ゆっくり、体の力抜く」と一言言って頭に手を置く



言われた通りに体の力を抜くと、少し呼吸が楽になる
目を瞑り、呪力の流れを掴もうとする





『…きっつ』



五「まぁ、無理やりだしね」









数時間たち
ようやく落ち着いてきた


五「よしよし、いい感じだね」



『…これでも絶対安静?』



五「当たり前。何のために僕が任務放り出したと思ってんの」



この感じだと虎杖たちと合流は出来なさそうだ
あの3人が弱くないことは分かっている
だが、全員かっこいいぐらいに自分の怪我を気にしない
だから俺はその怪我を自分に移してでも治したいのだ



『悟…』


五「何?」





『反転術式…俺にも使える?』



数秒の沈黙
恐らく本当に数秒だった
だが俺にはそれが10分に感じる



五「ぶっちゃけ、分からない」



『…は?』



間抜けな声が出る
だが可笑しくはないと思う、あの六眼を持つ悟が「分からない」と言ったのだ



五「Aを普通の呪術師として当てはめたら断言出来るよ、無理だ」



五「でもAの呪力は人のものじゃない、それは言葉の通り人間離れした呪力だ」



人間離れ
その言葉に少しだけ胸がざわつく
分かっている、悟はそういう意味で言ったのではない



『…分かりやすくお願い』



五「呪力が濃い、って言ったらいいのかな。器が増えてるから当たり前なんだけど、呪力は申し分ないよ、今足りないのはテクニック」



テクニック
また難しいことを言う
この世界でテクニックなんて早々簡単に身につけられるものでは無い、ほとんど才能だ



五「僕も死にかけて核を掴んだからね」



『…知ってるよ』



五「で、どうする?やってみる?死ぬ気でね」



ニコリと悟は笑う
それは、若干挑発のようにも見える


『…いいよ、死ぬ気でやってやる』



__________________
五「今日は絶対安静だけどね」

『…はい』

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作者名:有無@気ままに更新 | 作成日時:2021年1月9日 21時

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