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狐が31匹 ページ35

五「あ、A、他の3人が1級の推薦出てる話だけど、まだ確定はしてないから口外したりしないでね」


『…その言い方冥さん雇うつもりだろ』



伊地知さんが運転してくれる車の中で話す
伊地知さんも大変だよなぁ…



『ってか、なんで悟まで一緒に来てるの』


当然のように隣にいる悟を見ると、にんまりと笑う
こんなところにいていいのかよ、特級なのに


五「Aが言ったんでしょ、どれだけ対抗できるか分からない、って。だから何かあった時のストッパー。あ、冥さんは烏で見てるから安心して」



『…1級なんて聞いてないし』



そりゃあ不安にもなるだろ
いきなり言われたら


五「大丈夫でしょ、周り気にしないで暴れればいーんだよ」


『自分のことじゃないからって…』



五「大丈夫だって、自信持っていけよ」



不安は消えていない
だが、少し胸がスッとした
下手したらこの戦いで死ぬかもしれないのに


『…ん、何かあったらよろしくね』



キキッと車が止まる
ついたようだ


古い建物
廃ビルみたいだ

帳が下りる





『…さて』


ビルの中に足を運ぶ
入ってすぐに大量の低級の呪霊がこちらを見る




『狐火』



低級の呪霊が動くまもなく焼き尽くす
尾が増えたからだろうか、威力も大きさも段違いだ


少し進めばまた呪霊、呪霊呪霊__




『うざった…』


口に手を当ててもごもごとする

たくさん見ただろ、劣化版上等
やってみろ









『ねじれろ』


呪霊の体がねじれる
棘先輩の呪言
効果はあまり出せてない、その証拠に呪霊は祓えてない
だが喉はズキズキと痛む





だが十分_



呪力を込めた足で呪霊を蹴り飛ばす
壁にめり込み消える呪霊



『…1級ではないな』




祓っても祓っても
1級は表れない




これが最後の部屋
ドアを蹴破る





『…!』


こいつだ
人間のような体


呪霊は俺を観察する
手のひらをこちらへ向ける

そこから飛んでくる衝撃波
俺はそれを寸前の所で躱す

頬から血が垂れる



『チッ…』

舌打ちをして呪霊との距離をつめ、尾を叩きつける
防がれた、が多少ダメージはあるようだ


距離を取り、衝撃波を乱発してくる呪霊
それを一つ一つ躱し、距離をまた詰める
遠距離攻撃なら距離を詰められるのを嫌うのは当然




『…っ!』


違う!こいつが狙ってるのは


近距離からの衝撃波_



『あっ…ぶな!』


体を小さく変化させて攻撃を避ける
距離を詰められたくないと思わせてから近距離攻撃…


やはり知能はあるらしい

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作者名:有無@気ままに更新 | 作成日時:2021年1月9日 21時

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