ゲームボーイ Lv.2 (ページ3)

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─── 注文から30分以内に届きますので､お待ちください

と電話を切られて40分が経過した

空腹に耐えられなくなったAは家にあるお菓子に手を出している

ついでに甘いサイダーも｡

｢ ... 太るな､これは｡｣

お菓子の袋が空になっても彼女の胃袋は満腹を知らなかった｡

他にまだお菓子があっただろうか？と腰を上げキッチンへ向かう時家のインターホンが鳴った

今1番聞きたかった音だ｡

気分が上がりボサボサに乱れた髪をひとつにまとめて玄関のドアを開けた

｢すんません､遅くなりました｡注文したチキ____ ｣

配達のお兄さんからチキンの箱を受け取ろうとしたが､彼の動きが急にピタリと止まった｡

なんだ？と思いぼやけた視界に目を細くしてピントを合わせる

ヘルメットを外したのかさっきまでの自分くらい乱れた髪に

キリッとした目

｢ ...... うそでしょ｣

彼女が気づく前に目の前の彼はAの存在に気づいており

いつもの見慣れた表情で

｢学校の時とは全然雰囲気ちげーのな｣

と少し馬鹿にしたような笑みを浮かべる

｢ウォヌ先輩 ...... ｣

wn ｢この量のチキンも1人で食うの？｣

｢ちょっと､見ないでください｣

wn ｢俺も一緒にいい？｣

｢はぁ？？？｣

こんなオフの姿を見られただけで最悪なのに､食事まで一緒にしようなんて正気か？と彼女は思った｡

ヘルメットとお店の上着を玄関に置きズカズカとチキンを片手に部屋に上がるウォヌをみて思わずため息がでた

wn ｢ヨボセヨ？ヒョン､悪いんだけど俺のタイムカード切っといて｡｣

｢帰ってくださいよ｣

wn ｢女の声？彼女？さぁ､どうだろうね｣

｢帰る気全く無さそうですね｡｣

wn ｢ヘルメットと上着は明日店長がいない間に返しに行く｡ん､じゃ｡｣

全ての発言を無視しながらしていた電話が終わり､ウォヌは隣に立つAの腕を引いてリビングへとやって来た

彼は俺昼から何も食ってないんだよね｡などと言いながら机にチキンの箱を広げていく

部屋中にチキンの油っぽい匂いと香辛料の香りが広がり､腹の虫が鳴った

それに気づいたウォヌはチキンを1つ摘みAの口へ放り込んだ

｢ ... ほいひい｡｣

Aは彼を追い出すのを諦めた｡