54,「妖艶」 ページ10
顔が急速に熱くなっていくのを感じる。
ファーストキスだし何より驚きすぎて。咄嗟に黒川君を押したけど全く動かないし。何ならその手も押さえ付けられた。
『っんん!!んっ、んー!!』
「…………ん、は、うるさい」
『おっ、おまっ!何しゃがんだ!私のファーストキスだぞ!?数年後のダーリンに捧げる筈だったファーストキス!!!』
「へぇ、なら………もっと丁度いい」
かと思うと、また唇を塞がれた。いやあかんあかんあかんセカンド。今度はセカンドぉぉぉ!!!!!
『っん、!?』
えっ、待って、何か入ってきたんだけど?口の中になんか入ってきたぞ?うわっ、え、ベロに当たった!
ん?もしかして、これ、
黒川くんの、舌_____
『っ!!!いい加減にしろっ!!!』
________ドンッ、!!!
「………………いってぇなぁ……」
黒川君を突き飛ばして思いっきり後ずさる。羞恥がじわじわと襲って、顔っていうか体全体熱い。
ていうかキスの最中は息の仕方分かんなかったし。
『はぁっ、は…………っ?おま、え、何してっ!!』
「ん、いーなその羞恥に塗れたカオ」
『ひ、ぇあ、』
黒川君は目を細めてこちらを見つめている。
おもむろに自分の指を口元まで持っていたかと思うと私が突き飛ばした時に出たのか、口から零れた唾液を拭い取った。
そしてそのまま指先をぺろりと舐める。
私に触れてすら居ない。その動作を私は見ただけだ。なのに__ぞわぞわぁっとして、体が震えた。
だが、私はこれでくじける様なチョロい女じゃない。
『ふっ、ふざけんなよっ!?初対面の人とはまず自己紹介して何歳です自分の事はこうやって呼んでください宜しくお願いしますだろうが!!!常識だわ!!』
「えーめんどくさ…………まあいいや。黒川イザナ、歳は18。イザナで良いぜ、ヨロシク」
『えっ、待っ、18?マジで?年上かよ!?』
「へぇ、歳下か……?けどマイキーよりも年上っぽいしな………16ってとこ?」
『うわ歳バレた』
………………ハッ!!!論点ズレてる!!!
『そ!それより!!ここの私は大将さんに呼ばれたとかで蘭と竜胆に連れてこられたんだよ!なのにイザナ君いるし!キ、キスされるし!!』
「あ、その大将って俺のことだから」
『……………………………………えマジ??』
ー
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愛\(??)/(プロフ) - 続きが楽しみです!! (9月8日 16時) (レス) @page37 id: 1f94bf8b32 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高です最強です文才天才すぎですめちゃくちゃ好きです、、お手隙の際に更新してもらえたら嬉しいです!!完結までついて行かせてください! (2023年1月20日 14時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 可愛いのとか、弟にしたくなるきもちわかります!こんなにも私が望んだ作品はないです!!ありがとうございます!!これからも更新頑張ってください (2023年1月2日 2時) (レス) @page33 id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新ってしないんですか?私、この小説が大好きです! 更新待ってます!!!! (2022年7月24日 1時) (レス) id: 50f3e04b49 (このIDを非表示/違反報告)
ぴゃ - サーモン……!!寿司ネタのサーモンは苦手ですけど、塩焼きの鮭なら大好きでありますわ!!!なので……続きをお恵みくださいまし………ガハッ… (2022年7月16日 19時) (レス) @page40 id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年8月4日 22時