74,「犬歯」 ページ30
あれから数分。
いや数十秒。
私は青宗君の頭を撫で続けていた。
(……………何してんだコレ)
とりあえず可愛かったから撫で続けてるけどコレ一体何してんだ???私は何しているんだ??
『せ、青宗君、私そろそろ帰らないと』
「…………もう、辞めてしまうのか」
『ッグァッ』
「普段頭を撫でられたりしないし………嬉しくて俺、Aにもっと撫でられてぇ……っていうか、」
誰か!!!助けて!!!!!可愛すぎて私が死ぬ!犬系?これが噂の犬系???
『そっ、か。分かった、でも私家に帰らないといけなくてな?だからまた今度来て、』
「ココにも深入りはするなと言われていたしな…。……分かった。じゃあまた、来る」
『お、おう?』
どうやら今は潔く帰ってくれるらしい。それは有難いんだが………ココ?ココって何だ?
言われてた、って言うんだし人間だよな?やべぇ、ココアしか出てこないんだが。美味しいよな。
(まあとりあえず可愛い友人が出来たのは事実だし)
『うっし!また来いよ青宗君!!待ってるからな!』
にぱっと笑ってポンポンと青宗君の肩を軽く叩いた。
てかこの白い特攻服?何処のだろ。面倒くさくなるし東卍と対立してねーと良いけど……。
いやまあ、今更か??半間君とかイザナ君とか居るしな、もう、今更か??
『そんじゃ私はこれで______』
まあ色々ありつつも思考を一度遮断して踵を返そうとした。その時。
ふ、と影がさした。
気付いた頃には遅かったというか、顔を向けるのが遅かったというか。
(…………え、青宗君なんでこっちに近付いて__)
端正な青宗君の顔立ちが近くて驚き、それで心臓が早鐘を鳴らすのに多分0.7秒位だと思う。
そして、睫毛長。とか呑気な事を思ってる内に。
かぷっ、と可愛らしい効果音がつくみたいにして、頬を噛まれた。
『______ヅエッッッ!!!?!?』
やべぇて変な声出たって。それより何、え、何されてんの今どういう状況?青宗君とゼロ距離よ?私のライフももうゼロよ?
『せっ、青宗くっ、ちょ、』
「………………」
『無言辞めねぇ!?』
青宗君は何を思ってるのか分からないが、かぷかぷと頬の次は瞼、口の端、と甘噛みしてくる。
あ、やば、青宗君の犬歯ちょっと触れたって今。
ー
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愛\(??)/(プロフ) - 続きが楽しみです!! (9月8日 16時) (レス) @page37 id: 1f94bf8b32 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 最高です最強です文才天才すぎですめちゃくちゃ好きです、、お手隙の際に更新してもらえたら嬉しいです!!完結までついて行かせてください! (2023年1月20日 14時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
まろん - 可愛いのとか、弟にしたくなるきもちわかります!こんなにも私が望んだ作品はないです!!ありがとうございます!!これからも更新頑張ってください (2023年1月2日 2時) (レス) @page33 id: 8c92803490 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新ってしないんですか?私、この小説が大好きです! 更新待ってます!!!! (2022年7月24日 1時) (レス) id: 50f3e04b49 (このIDを非表示/違反報告)
ぴゃ - サーモン……!!寿司ネタのサーモンは苦手ですけど、塩焼きの鮭なら大好きでありますわ!!!なので……続きをお恵みくださいまし………ガハッ… (2022年7月16日 19時) (レス) @page40 id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年8月4日 22時