不良に外堀埋められた【東卍】

65,「淫猥」 ページ21

は？え、何やってんの、




思考がぶっ飛ぶが、くちゅっと耳の中で春千夜君の舌と思われる物が動いたせいで強制的に意識が戻る。






『っ、！？春千夜く………っ、なっ、耳っ、！』



「………………はぁ……っ」



『ひぅ、っ！？ばっ、かやろぅ！耳の近くは辞めろマジでむり、』



「…………あ？」



『っう、ぅ、』






ダメだ、わざとやってやがるコイツ。いつの間にか体勢は抱きしめられてるみたいになってるし、春千夜君の髪の毛が首筋に当たってめっちゃ擽ったいし。



傍から見ればただ抱擁してるだけだ。けど、やられてんのは抱擁なんて生易しいモンじゃない。






「一々反応がおもしれーんだよなぁ、お前………」



『っ、る、せぇ………！そこで、しゃべんなっ』






必死に抵抗しようとするがコイツはマジで容赦ない。手を動かそうとした瞬間、耳のずっと奥まで舌突っ込んでくんの。


びくびくんっ、みたいに、超反応起こしたみたいに体が素直に反応して屈辱だ。





もう恥ずかし過ぎたので、顔を真っ赤にしてぎゅっと目を瞑る。声を出さない様に唇を噤む。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿が、その時。









「……………うっわ……やーらし」



『っ！！』








春千夜君が、耳の奥に声を滑り込ませる様に囁いてきた。


それにより反応しない様に力を入れていた体も、直ぐにへなへなと力が抜けてしまう。






『ゃ、春千夜君………私が悪かった…からっ！離れ、』



「嫌に決まってんだろ」



『っんん…………っ！』






べろぉっ、と今度は耳朶から耳の裏にかけて滑る舌。唾液で濡れた舌が肌を刺激しておかしくなりそう。


力が入りきらない体は勿論のこと、足は産まれたての子鹿みたいにぷるぷる震えてるし。





すると、それに気分を良くしたのかなんなのか知らないが、






『っ、ひわっ！？』






震える肩を春千夜君が人差し指でつぅ……となぞった。


急な事に驚き過ぎて変な声は出るし、びくっとして春千夜君の服を握っちゃうしで散々である。






「なに、俺の声だけでそんなに感じちゃった？じゃあ今度は指で感じさせてやろーか？」



『！？指……っ、辞めろよっ、！』







肩をなぞった手が、指先が、どんどん下になぞる様にして降りていく。擽りの様な物の筈なのに何でこんなにも体は反応してしまうのか。





(くっそ、悪戯もここまで来るとタチ悪ぃよ！！)








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