別に望んじゃいないよ

31話 ページ33

父「大丈夫だったか？」

「私は大丈夫。でもあの双子が…」

父「…まさか、ホームステイ先で殺人事件が起きるとは…
すまなかったな、A」

「ううん、父さんが謝る必要はないよ」

あれから２週間が経った
私は取り調べなどを受け、日本にようやく帰国してきた

…ごめんなさい、リリィさん、ルーカス。悪いのは、組織…そして止められなかった私
別に翔を恨んでいるわけではない。…翔だって辛かったと思う

そしてあれから翔からの電話は来ない
忙しいのか…どちらにしろ、こちらから掛けないほうが賢明だろう

「はあ…」

私は今微妙な気分だ
…正直、翔の敵にはなりたくない
でも…だからと言って、父さんたちの敵にはなりたくない

零「随分落ち込んでるな」

「…零」

零「ほらよ」

「え？…羊羹？買ってきてくれたの？」

零「ああ。夏だし、丁度いいと思ってな」

「…あ、ありがと…」

久しぶりに食べた羊羹はとても美味しい
アメリカじゃ売ってなかったからな…
…甘い。そして美味しい

「…ごちそうさま。おかげで少し立ち直ったよ」

零「別に。何かあったら頼れよ？お前だって完璧なやつじゃないんだから
もし体壊したら心配になるぞ？」

「それはこっちの台詞だよ」

零「…まあ、俺も気をつけようか」



〜♪〜♪

私のか…

「ごめん、ちょっと出るね」



「…どうしたのさ」

翔《いや…今から会えないか？》

「…私の家ね。今は誰もいないから」

翔《分かった》


〜家〜

いきなり呼ばれたかと思えば…何なんだ？
しかも…

「何でまた彼女を引き連れてるの。何、セクハラなの？訴えるよ？」

翔「機嫌悪いのは分かってるがあまり貶すな…しかも彼女じゃねえからな？」

べ「あら、二人っきりが良かったかしら」

「…別に」ﾌﾟｲｯ

べ「ボス、あれは日本でいうツンデレかしら」

翔「ああ。Aはツンデレっ子なんだ」

「おい余計な情報教えんな」

翔「否定はしないんだな」

「…それより、要件って？」

翔「ああ、悪いな…謝りにきた」

「帰れ」

翔「即答！？」

べ「(成る程…ボスに対してツンツンデレデレなのね)」

「謝るな。こっちが困る
それに別に翔だって好きでやってることじゃないくらい分かる」

翔「あー…まあそうだけどよ…
まあ俺、ボスっていうよりじいちゃんのいう事聞いてるだけなんだ
つまりじいちゃんが抹殺命令出したら俺が遂行すんだよ」

「…やっぱり元凶あんたのおじいさんじゃねえか」

翔「あー、なんていうかその…」

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