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弐拾漆話 ページ27

携帯が鳴る。


目の前の男を警戒しながら、芙美子は電話に出る。




「なにか判ったの?」



『ああ。あの轟音の原因は徳冨が鳴らしていたらしい』




電話の相手は聞き込みをしていた国木田だ。





「そのようね。でもどうやって?」



『轟音の原因は外ではなく、中だ。』



「中....?」



『そうだ。徳冨は変装が得意だ。それを利用し、家に入っても警戒されない人物に成りすましたんだろう』





徳冨を見る。


相変わらず気味の悪い笑顔でこちらを見ている。




「判ったわ。ありがとう」



『ところで、今何をしている?』



「丁度、その徳冨と対峙しているところよ。なんとかなりそうだから、気にしないで」





それだけ云って芙美子は電話を切る。


電話を持っていた手にはもう既に刀が握られている。





「大人しく自首するか、私に殺されるか。どちらがいい?」



「どちらでもなく、僕が君たちを殺すというのはどうだろう?」



「名案だわ。上手くいくかしらね?」




相手を挑発し、時間を稼ぐ。


その間に小柄な鏡花には後ろに回ってもらった。




「夜叉白雪、敵を倒して!」




鏡花が云ったのと同時に、夜叉白雪が徳冨に向かって刃を振り下ろす。


だが、それは簡単に避けられる。




「まだまだですな」




徳冨が鏡花に向かって銃口を突きつける。




「それはどうかしらね」





徳冨が横を見ると、敦の虎化した腕の爪先が、徳冨の横腹のギリギリを通っていった。




「今よ、鏡花!」



「お願い、夜叉白雪!」




鏡花が夜叉白雪に命令すると、夜叉白雪が敦の攻撃を避け、油断している徳冨の腹部を裂いた。




「がは....ッ」




倒れた徳冨の腹部を芙美子がのぞき込む。




「傷は浅いようね。よかったわね、鏡花が優しくて」




芙美子は血を流す徳冨を見下したように徳冨を見ている。




「警察には連絡しておいたわ。ちゃんと全てを話す事ね」




遠くでパトカーの音が聞こえる。


徳冨はそのまま気を失ったのだった__

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設定タグ:文スト , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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麻月☆(プロフ) - 暁美 萌さん» ありがとうございます!!励みになります(*˙˘˙*) (2017年12月20日 6時) (レス) id: 2189571e01 (このIDを非表示/違反報告)
暁美 萌 - 面白い!!気に入りやした\(^∀^)/ (2017年12月19日 23時) (レス) id: 138e63448f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麻月☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/my3126rk5/)  
作成日時:2017年2月9日 23時

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