約束【桃】 (ページ10)

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▶︎ASide

桜が満開に咲いた頃、私たちは高校生になった。

入学式が終わりクラス発表の紙が配られる。

えーっと、わたしは…３組だ。

ひーくんとふっかは…

えっ！二人とも同じクラス。

新しい環境で知らない人ばかりの中で、いつも一緒にいた二人と同じクラスなことに少しホッとする。

深「おっ！Aいたいた〜！」

照「よっ」

『二人ともおはよう！今年も同じクラスだね！』

照「だな。ふっかとは中一からずっと一緒でまじで腐れ縁だわ」

深「このこの〜！本当は嬉しいくせに〜！
さっきだってクラスの名簿見てAの名前見つけてめっちゃよろこ「いいから！もうこいつほっといて行こ、A。」

「おい、置いてくなよ〜！」なんて、相変わらずの二人にふふっと笑みが溢れる。

二人並んで教室に向かっていると、ひーくんが突然ボソッと呟いた。

照「A、制服似合ってる…でもちょっとスカート短くない？」

『え？そうかな？ひーくんも似合ってるよ」

照「…知ってる」

　
言葉とは裏腹に口角を上げて嬉しそうにニヤけるひーくんを見て、

素直じゃないなぁと思うと同時に可愛いな、なんて少し思ってしまった。

『ふふっ』

照「なに笑ってんだよ」

『別に〜？』

照「なんだよ、」

なんて髪の毛をくしゃくしゃってされる。

その大きな掌がなんだか心地よかった。

深「おいおい、俺置いて二人でいちゃいちゃしちゃって〜」

『ふふっ、ふっかも制服似合ってるよ？」

深「…知ってる(にやっ)」

大袈裟にひーくんの真似をするふっか。

「おいお前真似してんじゃねーよ！」って戯れだすひーくん。

高校生活、ちょっと不安だったけどこの二人と一緒なら楽しくなりそうだな。

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