約束【桃】 (ページ9)

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▶︎照Side

次の日学校に行けば俺とAが付き合ったことは学校中に広まっていた。

深「照くーん！Aちゃーん！おめでとー！」

…いや広めたの間違いなくこいつだわ。

お前、余計なことしてんじゃねーよ！ってふっかを羽交い締めにしようとしたけど、

「へー！あの二人遂に付き合ったんだ！ずっとお似合いだと思ってたんだよねー！」

なんて声が聞こえてきて思わずニヤける。

仮の恋人でも周りが俺たちをカップルだって認識してくれることがなんだかむず痒くて嬉しい。

これでAに変な虫が寄り付かなくなるといいけど。

まぁ寄ってきたところで俺が返り討ちにしてやるけどな。

Aロスなんて言葉も聞こえてくるぐらい、男たちは「みんなのAちゃんが〜」なんて悲しんでいたけど、

そもそも最初からみんなのAじゃねーし。

何よりビックリしたのは俺がAと付き合ったことにショックを受けてる女の子もいたみたいで、

まじ？もしかして俺モテてた？

なんてちょっと調子に乗ってしまう。

とにかくこの時は仮でもAと付き合えたってことが嬉しくて有頂天になっていた。

…がその有頂天気分は長くは続かなかった。

照「あれ？俺ってAと付き合ってる…よな？」

いつも通り学校で会っていつも通り３人で下校する。

そんな毎日が続くだけで以前と何も変わらなかった。

あれ？付き合うってもっとこう毎日電話したり週末は手繋いで出掛けたり、あわよくばAとちゅーしたりその先も…なんて妄想だけが膨らんでいた。

深「何言ってんのいわもっさーん。
言うても仮だもーん。そりゃ何もないでしょもっさーん」

なんかムカついてふっかを殴る。

「いってーな！暴力はんたーい！」なんて騒いでるふっかを尻目にふと考える。

まぁ…そうか。

まぁ俺が彼氏(仮)の間はAも他のやつと付き合うことはないし、今のところはそれだけでも充分か。

…

そんな関係が続いたまま中学三年の冬になった。

　

俺らは受験真っ只中で塾に行ったりして３人で帰ることも少なくなった。

俺はAと同じ高校に行きたくて勉強を必死に頑張った。

ふっかはふっかで俺とAと離れたくないとか言って同じ高校を目指していた。

そして俺らは３人とも無事に同じ志望校に合格できた。

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