約束【桃】 (ページ8)

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▶︎照Side

その日からは、Aが友達と帰る日以外は俺ら３人で帰ることにした。

三年生になってクラスが３人一緒になってからは、ほとんど毎日一緒にいるようになった。

男女でずっと一緒にいると噂になるのが思春期ってもので。

Aはどっちかと付き合ってるんじゃないかとか、まさかの二股なのかとか、またあることないこと噂話が一人歩きしていた。

深「本当に付き合っちゃえばいーじゃん」

照「ぶほっ」

放課後いつものように近くの公園で３人で話していると、

突然ふっかが爆弾発言をぶっ込んできて思わず飲んでいたジュースを噴き出す。

深「うわっ！きったねーな！」

照「お前が変なこと言うからだろ！」

そりゃ、俺だってAと付き合いたいけどこの関係が壊れるのは絶対嫌だ。

照「お前さぁ、Aの気持ちも考えろよ」

深「え？誰も照と、なんて言ってねーじゃん」

照「は？」

深「Aちゃーん、俺優しくするよ？」

…いや、何をだよ！

Aも「本当に？」なんてふっかの冗談に合わせ始めた。

え？ふっかとAが？？

あんなことやこんなこと？？？

無理無理無理無理、ぜってー無理！！！

地球がひっくり返ったって無理！！！！

照「いや、無理！まじでふっかだけは絶対無理！」

深「なんでだよ！Aもその気じゃん」

お前ふざけんなよって肩パンして「いってぇーな！」なんて戯れてたら、

少し考え込んでたAがあり得ないことを言い始めた。

『…それ、ありかも』

「「…え！？！？！？」」

思わず二人とも素っ頓狂な声が出てしまう。

『あっ、いやっ、二人と一緒に居るようになってから、呼び出しとか変な手紙も減ったし、あの先輩も近づいて来なくなったし。

…それってすごく助かる、かも』

『その…もちろんひーくんが嫌じゃなければ、だけど』

思わず心の中でガッツポーズと万歳三唱をする。

え？俺を選んでくれたってことは脈あり…ってことだよな？

深「えー！Aちゃん俺じゃないのー？
優しくするって言ったじゃーん」

『いや、その、ひーくんはやっぱり小学生の頃から知ってるからなんだかんだ遠慮しないというか…』

なんだ、そんな理由かよ。

だけどふっかじゃなくて俺を選んでくれたことが心の底から嬉しくて、思わず顔がニヤける。

照「別に…、いいけど」

『いいの？助かる！よろしくね？』

こうして俺とAは仮の恋人となった。