約束【桃】 (ページ17)

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▶︎照Side

「では、文化祭はコスプレ喫茶にけってーい！！」

気付けばもう10月。

文化祭の季節。

俺は勢いで「本気出す」と言ってしまったものの、どうすればいいか分からずAとの関係は何も変わらないまま日々が過ぎていった。

深「誰かチャイナ服着てくれないかなー？」

照「誰がお前の趣味に付き合うかよ」

深「えー？頼めば着てくれる子たくさんいるよー？わら
でも俺はミニスカのチャイナ服着たAちゃん見たいなーわら」

友1「うわー！それまじで見たい！！」

友2「そんなん見れたら俺、毎日オカズ…痛てっ！照殴るなよ！」

照「お前らまじ最悪」

そっか…コスプレ喫茶ってことはAもコスプレすんのか。

短いスカートとか履かれたら嫌だな…。

深「照はAちゃんのことになるとすぐ本気になるんだから。彼氏(・・)だもんねぇ」

ニヤけるふっかにとりあえず肩パンをかます。

「なにすんだよ！」って痛がってるけど無視。

友1「でもさぁ、あんな可愛い子が彼女なの羨ましすぎね？」

友2「それな。あんな可愛い子とあんなことやこんなことしてるんだろ？まじ神様不公平すぎ！」

深「そりゃそうでしょ。彼女(・・)だもんね〜」

とりあえずふっかを睨んで席を立つ。

友1「どこ行くんだよ？」

照「トイレ。付いて来んなよ」

そりゃ俺だってAとあんなことやこんなことしてーよ。

…一応思春期だし。

そんなことを考えながらトイレから出たところでAに会ってドキッとする。

『照！みんな何のコスプレするかで盛り上がっちゃってるね』

照「Aは何着るの？」

『んー？まだ考えてないけど…とりあえず余ったやつでいいかな？照は？』

照「俺もなんでもいいかな」

『照ならなんでも似合うよ』って微笑んでくれるA。

その笑顔を見てたら独占したくなった。

照「あんまり…短いスカート履かないで」

『え？コスプレの話？うーん、出来るだけそうするけど…突然どうしたの？』

照「あと、チャイナ服だけは絶対着ないで」

『なにそれ(笑) 』

そんなに独占したいならさっさと告っちまえばいいのにな、俺。

でも今の関係が壊れたらと思うと嘘の関係でもAを一人占めしていたくて、

このままでいいかなって現状に甘えちまうんだ。

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