約束【桃】 (ページ6)

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▶︎照Side

中学生になってから、周りからやたらとAのことを聞かれるようになった。

どうやら同じ小学校で仲が良かったって噂があったみたいで、Aを紹介してくれとかそういう類のものばかりだった。

俺はその度に何故かわかんないけどムッとした。

俺に頼むなよ。

そんなのあいつに直接声掛ければ良いじゃねーか。

もう子どもじゃないし昔みたいに遊ぶことは無くなったけど、

学校で会えばニコッと微笑みかけてくれるAにドキッと胸が高鳴るのを気付かないようにしていた。

学校ではAが誰に呼び出されたとか、誰に告白されたとか、聞きたくもない情報がすぐに回ってきて、

学校で一番かっこいいと噂されている先輩に告白されたと聞いた時は、

あぁAも遂に誰かと付き合うんだなって胸がズキズキした。

しかし結果は予想外で、Aは先輩を振った。

そしてそのニュースはすぐに学校中に知れ渡った。

その時は心の底からホッとして、もう自分の気持ちに嘘がつけなくなっていた。

深「モテる女を想う気持ちは切ないね〜」

照「は？別に好きじゃねーよ」

深「うそうそ。顔に書いてあるよ〜。だ・い・す・きって」

照「おまっ、ふざけんなっ！」

俺の気持ちに唯一勝手に気付いたふっかは、一年生で同じクラスになってそこから仲良くなった。

何考えてるか分かんないやつだけど悪いやつではないし何か波長が合う。

いつの間にか俺らはずっと一緒に過ごすようになった。

深「Aちゃーん、会いに来たよ〜」

『ふっか！…ひーくんも！どうしたの？』

深「いや〜照がどうしてもAちゃんに会いたいって言うからさ〜」

照「ばっ、ちげーよ！借りてた教科書、返しに来ただけ」

『あ、わざわざありがとう。次の合同授業の時でも良かったのに』

深「照がAちゃんのこと心配だからさ、時々こうやって見に来たいんだって〜」

『え？わたしは大丈夫だよ？』

深「今日もわざと教科書忘れたフリしちゃってさ〜」

照「もう、こいつの言うことは無視していいよ。
んじゃ、行くわ」

『え？うん？』

まだ頭にハテナを浮かべているAを残して、自分の教室に戻る。

「もう照れちゃって〜」なんて弄ってくるふっかに肩パンをかます。

深「いってーな！」

照「お前が悪いんだろ」

そう言って戯れてる時間もなんだかんだ楽しかったりした。

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