. ページ21
.
そこにいる全員の視線が同じ方向に集まる。
女3「い、岩本くんっ…！」
岩「何してんのか聞いてんだけど」
トレーニングウェア姿の岩本さんは、まるでサバンナの中心で獲物を見つけたかのような鋭い目線で睨みつけ、先輩たちは固まって動けなくなってしまっていた。
岩「それ、手に持ってんの何？」
女4「こっ、これはその…」
女1「こっこれは！この子がちょっとっ、髪を、短くしたいって、、言うから……」
どんどん尻すぼみしていく先輩の言葉を聞きながら、目を細めて冷徹な表情を浮かべる岩本さん。
岩「バリカンで？そうなの？A？」
わたしの名前を呼ぶ瞬間、少しだけ声が柔らかくなる。
わたしは声を出せずにぶんぶんと首を振った。
岩「…らしいけど？誰に許可取ってやってんの？」
再び射るような目つきで先輩たちを睨みつける。
女4「そっそれはっ…」
女2「こっこの子が悪いのよ！…この子がっ、みんなの辰哉くん取るからっ！」
女3「そっそうよっ…この子辰哉くんに色仕掛けしてっ、キスマークまで付けてっ、」
女1「そうよ！最初に喧嘩売ってきたのはこの子なんだからっ」
それを聞いた岩本さんの顔はさらに険しくなり軽蔑するような目で先輩たちを見る。
岩「なにその理由。ふっかが勝手にAのこと気に入っただけで、こいつは何も悪くないだろ。それにそんなだからふっかにも相手にされないんだよ」
女1「…なっ、」
岩「言っとくけど、この事ふっかだけじゃなくて学園長にも言うから。俺、ふっかみたいに優しくないからね」
それを聞くと先輩たちは今までで一番慌てていた。
女4「えっ、それってもう辰哉くんに近づけないって事？」
女3「何言ってんのあんた！それどころか学園長に知られたら私たち退学よ！」
女5「えっ、だって、そうならないように上手くやるって言ったから付いてきたのに…」
先輩たちは泣きそうになりながらコソコソ話している。
岩「そろそろどっか行ってくれる？A恐がってるから」
最後まで低い声で言い放った岩本さんの言葉を聞いて、先輩たちは足早に去っていった。
その瞬間、緊張の糸が切れてへなへなと座り込む。
岩「大丈夫？」
駆け寄って来てくれた岩本さんは、さっきまでの険しい顔から一変して眉尻を下げて心配そうに見つめてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4768人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なむ - もう更新しないんですか…？ 続きが気になります。ゆっくりでいいので更新待ってます！ (10月23日 23時) (
レス) id: ec35228bfa (このIDを非表示/違反報告)
マスコット - 好きです！楽しみにしてます (2023年1月18日 3時) (レス) id: f0407dfffe (このIDを非表示/違反報告)
レリリ(プロフ) - すごく面白いです。忙しいと思いますが更新待ってます (2022年10月3日 12時) (レス) @page31 id: e9c04f2da0 (このIDを非表示/違反報告)
つなまよ(プロフ) - 更新待ってます！！ (2022年5月10日 0時) (レス) @page25 id: 300c84084f (このIDを非表示/違反報告)
Nina - 更新待ってます‼️とても面白いです‼️ (2022年5月9日 22時) (レス) @page25 id: a69d533e05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：My | 作成日時：2021年9月21日 17時
