姫と９人のケモノたち２

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▶︎向井Side





今年のテーマは「出会い」か〜。



去年は入賞で終わった春のコンテスト。



U-18の有名なコンテストやからどうしても今年は優勝したい。




「しかし、このテーマやったらあの子しか考えられへんな〜」




雪寮のみんなにとってもAちゃんとの出会いは特別なことには間違いない。




どうしよう？


ダメ元で頼んでみるか？




そんなことを考えながらリビングに降りる。





ドアを開けると同時にまさに今考えてた子のでっかいため息が聞こえてきた。




向「どうしたん？そんな大きい溜息なんかついて」



Aちゃんはなんでもないって言うけど明らかに晴れない表情。



コーヒーを淹れてあげると『美味しい！』と一瞬で笑顔になった。




前から思ってたけど表情がころころ変わって可愛いというか面白いというか


写真に収めたくなるねんな。





突然やけど写真のモデルになって欲しいとお願いしてみれば


何やら考え込んでる様子。




もう一押ししてみると、しぶしぶ了承してくれた。




よし！そうと決まれば早速撮りに行こう！！




準備をして玄関に行くといつもより少しだけおめかししてるAちゃんが可愛らしい。



いつもほぼほぼすっぴんやけどこんなに可愛いんは素材がええんやろなぁ。



服装も短すぎないスカートにスニーカーて、なんでこの子はこうも俺のツボを抑えてくるん！？

しかも俺の大好きな生足やで？？




『…そんなにジロジロ見られると恥ずかしいです』


なんて恥じらう姿もかわええなぁ。



あ、あかん、顔ニヤけてもうてた。




Aちゃんに引かれる前にしっかりせな。




パンパンと顔を両手で叩いて気を取り直し、


向「ほな行こか」


と歩き出す。





『どこ行くんですか？』

向「とりあえず、この近くの大きな公園にでも行こうかなぁと思ってるんやけど」

『この間蓮くんと一緒に行った所かな？』

向「めめと行ったん？
あー、この間のスポーツテストのご褒美のあれな。
どうせザリガニ釣りとかさせられたんやろ？」

『ザリガニ釣り、初めてでしたけどなかなか面白かったですよ！」



無邪気に笑うAちゃんとは裏腹に少しだけ胸がチクチクする。





めめはいいなぁ。

こんな可愛い子とデートできて。






あかんあかん、嫉妬してる場合ちゃうな。




絶対にええ写真撮って、今年こそ優勝するんや！

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