愛されキャラの天使ちゃん３ (ページ2)

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影よページ2

関東のライブが終わったので来週から九州だ。

その前にメンバー全員二日ほどの休みをもらって。

今は家でクッキング中～♪

今日は翔くんの家にお泊まりの予定だ。

夕食を何か作っていこうと思って、今翔くんの好きな肉じゃがを作っている。

あ、味醂がない…。

味醂がないと肉じゃがじゃないよね…(´･･`)

私は一旦火を止めて簡単に髪をまとめて家を出た。

ースーパーの帰り道ー

どうしよ…

買いすぎちゃった笑笑

スーパーに行けば新発売のお菓子がたくさんあって。

ちあちゃんとか絶対これ好きだしなー♡ 今日はいい買い物ができたー♡

今日はどのパジャマ持ってこーかなー？♡

あ！歯ブラシも入れなきゃ！忘れてた！

そんな事を考えながらウキウキして家に帰る。

マンションにつき、エントランスの階段を上ろうとする。

もえは階段の先を見た瞬間、

背筋が凍りついた。

「……お父さん………。」

その姿を見たのは何年ぶりだろう。

最後に会った時よりもヒゲが伸びて

頬も痩せこけていた。

私は突然の出来事に一歩も動く事ができず、

ただその場で立ち尽くした。

すると、不意にエントランス外に目を向けたお父さんと目があった。

その瞬間、嬉しそうな顔をして私に近づいてきた。

いやだ……

来ないで………

いや………

父「もえ。久しぶり。」

久しぶりに聞いたお父さんの声だけは

昔も今も変わっていなかった。

「…なにしに来たの？」

私は声が震えないように精一杯強がった。

父「何怖がってるんだ笑ちょっと近くを通ったから顔を見に来ただけだよ、

…ちょっと上がらせてくれないか？」

「き、きょぅはダメ…。…帰って！」

私は父の目を見ないまま言い放った。

帰って…

お願い……

父「…。わかった。じゃあ…、

…２０万円貸してくれないか？」

やっぱりだ。

父が私に会いに来るなんておかしいと思ったんだ。

「…。わかった。振込んでおけばいいでしょ？今日中に振り込むから…。」

父「ありがとうな。

…あ、帰りのお金。」

私は何も考えられないまま、お財布から一万円を取り出した。

懐かしい父の背中は、視界が滲んで見えなかった。