捨てないで ページ11
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お花屋さんを出て いつものスーパーで買い物をする。
悪夢を思い出したせいで また 気分が悪くなったけど、袋を提げて なんとか家まで帰る。
今日は 一日中心細かった。
いくら夢とはいえ、すばるに あんな事言われたら ショックだよ。
マンションにつくと エントランスの前で 女の人がソワソワしながら 立っていた。
どこかで見たことあるような、でも 知らない人。
どことなく ママに 雰囲気が 似てる気もする。
だけど、もっと若くて 儚い感じがした。
あ「どうかされました？」
困っている姿が どうしても放っておけなくて 気づいたら声をかけてた。
女の人は びっくりして こっちを見ると、でも すぐ笑顔を浮かべた。
女「ちょっと用事があったんだけど、留守みたいだから 出直してきます。」
そう言って 立ち去って行った。
何となく 涙目だった気もしたけど、特に追いかけることもせず 部屋に入った。
す「ただいまー。」
ご飯もお風呂も終わって リビングで勉強してたら すばるが帰ってきた。
あ「おかえりーっ♪」ﾊｸﾞｯ
す「うぉっ、ただいま。」(笑)
す「朝はすまんな。ギリギリまで寝てたから 声掛けられへんかった。」
あ「うん。めちゃくちゃ嫌だった。」
す「ごめんって。」(笑)
あ「ただいまの ちゅー と ごめんねの ちゅー してくれたら 許す。」
す「あほか。」(笑)
アホじゃないし、本気だし。
ゆっくりあたしを離すと、ソファに荷物を置いて あたしが勉強してた 横に座った。
あ「ねぇ。」
す「ん？」
あ「あたしの事、捨てないでね？」
す「はぁ？ 何でそんな話になんねん。」
あ「嫌な夢見たの。」
“聞かせて。”って 言うから 昨日見た夢を すばるに 伝える。
最後は また 苦しくて泣きながら だったけど “ゆっくりでええから。”と言って 優しく 聞いてくれた。
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作者名：章佳 | 作成日時：2018年5月23日 21時
