▼.年下はお嫌い? ページ8
「賢治くん、何かして遊ぼうか」
「あ、良いですねー」
仕事に飽きた私の提案は、すぐに受け入れられた。
今日は探偵社の皆さんは外への任務に行ってしまっている。
つまり、部屋の中は私と賢治くんだけ。
どれだけ遊んでも叱られないという訳だ。
「何でもいいよ。
何がしたい?」
「んー……何か勝負でも?
こう、勝ったら一つ言うことを聞いてもらう、とか」
勿論、お金関係はダメですけど。
賢治くんにそう言われて、私は頷いた。
力勝負じゃない限り勝てる可能性はある。
しかし、力があるとはいえ彼は私より二つか三つか年下だ。
やはり、私の方が有利になるのではないだろうか……。
そういう思いがぐるぐると渦巻く。
イーブンな勝負が望ましい私は、悩みながらも賢治くんに「勝負内容、何でも好きに決めていいよ」と告げる。
すると、賢治くんは、
「おぉ、ありがとうございます!」
にこ、と笑みを浮かべてそうだなぁ、と少し悩んだ賢治くんは、「じゃあ腕相撲で」と告げた。
……待て待て、腕相撲!?
「あの……それ、私勝てなくない?」
「あ、異能力は使わないようにしますから大丈夫ですよ」
じゃあ始めましょう。
賢治くんはそう言って、肘を机に突く。
……まあ、異能力が無いなら。
私はそう思って、賢治くんと同じように構え、彼の手をぎゅっ、と握った。
「よーい……どんっ」
賢治くんの掛け声で、互いにぐっと力がかかる。
一瞬で決着、とはならないから異能力は解いているのだろう。
よし、畳み掛けよう。
そうしたとき、ふと賢治くんと目が合った。
「僕のお願いは、『僕と恋人になって下さい』ですよ」
にこり、と何かを愛おしむかのように笑う賢治くん。
こんな笑い方も出来るのかと少し驚くと同時に、心臓が大きく跳ねた。
その瞬間、手の甲が机のヒヤリとした面に押し付けられる感覚。
気づけば負けていた。
……だけど、それも気にならないほど、早鐘をうつ心臓の音が身体中に響いてたまらなかった。
2018/3/8 梛霧
109人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
硝子屋(プロフ) - 猫また猫さん» 了承ありがとうございます。リクエストですね、少々お待ちください…… (2020年2月24日 23時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - すみません夢主ちゃんと社長は結婚していない設定でお願いします (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫また猫 - 硝子屋さん» リクエスト失礼しつれいしますね!!福沢社長で子どもを預かる話をリクエストしたいです社長と夢主ちゃんは結婚している設定で (2020年2月24日 17時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
猫 - あ、全然混浴でなくても大丈夫です!無理をさせてしまいすみませんでした (2020年2月24日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
硝子屋(プロフ) - 乱歩信者さん» リクありがとうございます!少々お待ちください…… (2020年2月20日 21時) (レス) id: c0a77834dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:硝子屋+ソーダ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月25日 6時