小さなMXの物語 (ページ2)

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『おはよ〜痛っ』

教室に入ろうと歩いていると後ろからデコピンをくらう

『なっヒョンウォン何すんの』

「Aが悪い」

『はあ？』

そう言いながら私を通り越して顔が見えないけど
何か…機嫌悪

置いて帰ったから？
そんなの別に前にもあったのに

授業中に何回か見ても
怠そうに顔を伏せて寝てるだけだった

1日中寝るってヤバくない？
何か怒らせたか
何かあったか

久々に不機嫌なヒョンウォンを見ると私も胸がかなりザワザワするわけで…

放課後寝たままのヒョンウォンに近づき
前の席の椅子をひっくり返しそっと座る

シャツを軽くめくって怠そうに伸ばされた腕を突っつくけど何の反応もない

爆睡ですか？
よく学校でここまで爆睡出来るもんだ

はぁ

『ヒョンウォンさーん。ご帰宅の時間ですよー』

軽く腕を揺すってみるけどこれまた反応なし

ってか…まつ毛長いし
本当…綺麗な顔してるな

目に掛かりそうな前髪を指でふと触ると

「何してんの」

その声と同時にガッと手を掴まれる

『…っ…起きてたの？』

「Aさぁ…」

『え…ごめん』

「何が」

『いや…前髪が鬱陶しそうだったから』

「はぁ…もういいや」

その言葉と共に手も離され恐らくほとんど荷物なんて入ってないであろうバッグを取って席を立つ

「A」

『…はい』

「俺昨日告られた」

『え』

今までそうだとは思っていたものの
俺モテるからな〜とかふざけて言っていただけで直接こんなふうに言ってきたのは初めてだった

『そっか…

よかったね』

「…ふっ…だな。…先帰るわ」

『…っ』

あんな冷たい顔のヒョンウォン
私知らない