アンナチュラル〜Another story〜【横暴な彼の素顔】

your story ページ25

今夜、一生の誓いを心に決めた男がいる









スクリーンに映る顔の見えない男の人は
自分の胸に手を置いてその手をグッと握りしめて歩き始めた。









彼はずっと待たせ続けたある人に想いを伝える




その瞬間パッと周りの照明が全て落ち真っ暗になった。









『星のない世界に〜』

私の大好きな歌と共に流れるのは
私と系との思い出の写真。


「系…」


系は私の方を見て少し微笑むとスクリーンに視線を戻した。

【いつも周りをうろちょろするお前が可愛かった】



【15年間お疲れ様】

私がアルバムに込めたメッセージのように
当時の系の気持ちがメッセージとして込められている。


【いつも、そばにいてくれてありがとう】


曲が終わると同時に出てきたメッセージに
涙が止まらなかった。
系に渡されたハンカチで涙を拭いていると
スクリーンが暗くなりまた真っ暗になる場内。




パッ



眩しいくらいに照らされるスポットライトの中には
ただ突っ立っている私と
その隣に片膝をついている彼。


「系…」



中「A…必ず幸せにする。

結婚しよう」

そのセリフと一緒に系が差し出したのは
小さなガラスの靴。
その中にはダイヤのついた婚約指輪が刺さっていた


不器用で恥ずかしがり屋な彼が、こんなステキなプロポーズをしてくれるなんて思わなかった。
嬉しくて、愛おしくて、涙が止まらない

「よろしくお願いします」
彼は私の手を取ると左手の薬指に指輪をつけてくれた。

「系、大好き！」

まだ跪いてる系に抱きつくと

パチパチと沢山の拍手をもらった。
周りも明るくなって
ここのスタッフさんたちが捌けると
入り口の方にラボメンバーがいた





三「Aー！おめでとう！」

東「おめでとう」

久「おめでとうございます」

「なんで？」

神「おめでとう、ついにお嫁に行くなんて。」

坂「おめでとうございます」

木「おめでとうございます」

南雲や、坂本さんまでも。


毛「俺らもいるよー
Aちゃんおめでとう」

向「おめでとうございます」


「ありがとう」




三「実はずっと後ろの席で映画も見てたんだ」

「え？」

中「お前らが食いたいってうるさかったんだろ」

東「嘘、中堂さ…んんっ」

夕子の口をミコトと六郎が塞いでいた。
みんなグルだったんだ…

系が周りにまで声をかけるなんて
少しこそばゆい。

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