アンナチュラル〜Another story〜【横暴な彼の素顔】

Rokuro's story ページ20

「もぅ、どうしたらいいですかね」

中「知るか」

「中堂さん！」

中「はぁ、なんで俺がお前にメシ作ってんだ。」


飲みに行くとミコトさん達が帰った後
ちょうど帰ろうとしていた中堂さんに話を聞いてもらおうと、家まで押しかけた。


「はぁ、なんでキスなんかしちゃったんでしょう…」


中「したもんは仕方ねぇだろ」

相談する相手を完全に間違えた。

とりあえず誰かに聞いてもらおうと思って…
坂本さんはなんか違うし
神倉さんも…何してるんですか！とか言われそうだし、他に相談する人なんていなかったわけだけど。


「うまっ」

中堂さんが出してくれた料理はやっぱり美味しい。
箸が止まらないでいると鼻でふっと笑われた


中「旨いもん食ったらどうでも良くなるだろ」

確かに一瞬忘れたけど…

中「もう後ははっきり気持ち伝えるだけだろ
悩むことなんてなにもねぇ」

「え？」

中堂さんからそんな言葉が聞けると思ってなくて
本当に中堂さんなのか疑ってしまった。

中「なんだ」

「い、いや、でもそれでフラれたらどうするんですか」

中「そりゃ、お前が男として魅力がないだけだ」
「そのセリフ、中堂さんには言われたくないです！」

中「ぁあ、そうだな」

そう肯定されると言い返す言葉はないんだけど

中「そんな俺でもいいって言う
バカ女はいるがな」


結局惚気…
本当にこのバカップルは…

中「声に出てるぞ。」

「え？」

中「まあ、今回はAのお節介のせいでもあるから１つだけアドバイスする。
当たって砕けてもいいから、伝えろ
何もしないと後悔しか残らない
でも、行動すると何か変わるかもしれない
居なくなってからじゃ遅いんだ


わかったら食え」

中堂さんの言葉には重みがあった
それは中堂さん自身が経験してるから言える言葉だからだ。
ミコトさんが居なくなるとは考えづらい
でも、もし他の男とどうにかなってしまえば
居なくなるも同然。

フラれてしまうかもしれないけど
中堂さんの言う通り
何もしないでこのまま気まずくなっていくのは嫌だ。




___

中「行くぞ」

「へ？どこ行くんですか？」

そろそろ帰ろうかと思っていたのにどこへ…？

中堂さんは財布と鍵だけ持って玄関に行っていて
もう黙ってついて行くしかないようで

荷物を持って後を追った

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