回り道

番外編005 sota ページ47

俺は今、困っている。
なんでかって？
隣でうたた寝しているAの胸が
俺の腕に当たっている。
こいつ、いつの間にこんなに成長したん？

俺の腕にしがみついて呑気に寝ている。
俺だって健全な男子高校生やし
最初はラッキーなんて思ったけど、
色んな事情がそろそろヤバい。

寝ている女の子に何かしようなんて
そんな悪趣味なことはしたくないから。

想「A？起きて」

「んっ…」

そんな甘い声出すなや！わら

想「俺以外の前でうたた寝なんかしたらあかんで」

ぽつりと呟いた独り言は届くはずもなくて。
幸せそうな顔をして寝ているAの頬を撫でた。

想「あーあ、なんか心配やなぁ」

無防備な君はかわいいけど、
俺ばっかり不安で、心配して。
たまにドキドキさせられて、
会うたびに好きが積もっていって。
振り回されっぱなしは悔しいから…


ちゅ

ちゅーしてやった！どや！
もちろん、ほっぺた。

想「もっと好きになってや」

暇やからAが起きるまで
ほっぺたプニプニすんねん。

「んー！なに、？」

あ、起きた。
眠そうな君にもう一度キスを落とす。
もちろん、ほっぺた。

「…ちょっと！なにすんの、」

真っ赤になった顔を両手で隠す姿も全部かわいい。
そんな顔、俺以外にしたらあかんで。
Aをギュッと抱きしめた。
今日の俺はちょっと積極的。

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