035 ページ35
your side
今日の想太は少し様子がおかしかった。
キスするんじゃないかってぐらい距離が近くて。
突き飛ばそうとしたけどできなかった。
想太の目から涙が溢れたから。
でも本人が泣いてないって言うから
気づかないふりをした。
どれくらいの時間が経っただろう。
何かを決心したかのように
沈黙を破ったのは想太だった。
想「大輝くんさ、彼女と別れたって」
「…え、」
もう言葉にならなかった。
どうして別れたのかも気になったけど
何で想太が知ってるか、とか、
何で想太がそれを私に伝えたか、とか。
何も考えられなくて。
ただ黙り込むことしかできなかった。
想「まだ大輝くんのこと好きなんやろ？」
「そんなこと、ない」
想「嘘つけ」
大輝くんが彼女と別れたからって
次が私ってわけじゃない。
もうずっと前に諦めて
必死に忘れようとしてきたのに。
今更…。
それに仮に私の番が回って来たとしても
実彩子さんの次なんて荷が重い。
「…好きじゃない」
想「Aには幸せになって欲しい」
「急にどうしたの？」
想「大輝くんが誰を好きかとか、
ふさわしくないとか、そんな思い込みあかんで」
「想太だって、」
想「ん？」
「もういい、」
想太の涙の意味も、自分の気持ちも
分からないまま、想太の部屋を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かおり(プロフ) - さくらさん 感想ありがとうございます！初めてコメントいただいたので、とても嬉しいです(^^)番外編も頑張って書きますのでまた遊びに来てください！ (2019年6月25日 21時) (
レス) id: 5ecbc891ed (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - いつも更新楽しみにしてました！終わってしまうのは寂しいけど、番外編楽しみに待ってます！！！ (2019年6月25日 21時) (レス) id: 30528eed19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かおり | 作成日時：2019年2月14日 23時
