100話 ページ7
Aside
だらだらと冷や汗をかきながら、自室＿＿ではなく、メイド専用の休憩室へと足を進める。開いた扉の先は薄暗く、夜遅いのもあってか誰の姿もなかった。併設されているキッチンへ向かい、備え付けのコップに水を汲む。ごくごくと飲み込んで、はぁ、とため息をついて、
「こ、こ、怖かった＿＿！！」
とつぶやいて座り込み、未だに震える身体を抱きしめる。怖かった。本当に焦った。あの人、一体何者なんだろう、っていうか、どこでバレたんだろう。
怖すぎて頭が真っ白になったので、とりあえずそれっぽいことを言ってお茶を濁してきたけどマジで怖い。いい人だと思ったのは本当だけどマジで怖い。というか、なんで男性なのにあの口調なんだろう。マジで疑問。
もう一杯水を飲む。いくらか落ち着いて、頭に酸素が戻ってきた。今の今まで、消え失せていた。さっきまでの話でわかったのは三つ。一つ、ハインツさんは油断ならない。二つ、お茶は淹れ方によって全然味が変わる。三つ＿＿身辺調査は、なんかよくわからないけどなんとかなりそう。
情報を整理して、ふうっと息を吐く。正直もう本当に国へ帰ってしまいたい。けれど、今のまま帰れば心残りが多すぎて後々まで引きずりそうだ。……なんとかできるうちは、とりあえず潜入を続ける。そう決めて、これ以上悩みたくなかったので眠ることにした。明日の朝になれば、このモヤモヤも少しは晴れるだろう。そうじゃなきゃ困る。
コップを洗って、部屋を出ようと扉に手を伸ばす。驚いたことに、触れる前に勝手に開いた。わぁ自動ドア、というわけもなく。
「＿＿＿！？ど、どうしたんですか！？大丈夫ですか！？」
開いたドアの先にいた人間を見て、ぎょっとして血の気がひいた。扉の先にいたのは一人の若いメイドで、首元には緑色のリボン。恐怖に引きつった顔をする彼女の真っ白いはずのエプロンが＿＿_______真っ赤に染まっていた。足下には転々と血が続いていて、出血元は、おそらく押さえられている左腕。
「っ、大丈夫です、大丈夫ですからね、すぐに治療します。こっちへ来てください！」
とにかく止血をしなければ、と判断して痛みにうめく彼女に肩を貸そうとすれば、物凄い力で腕を捕まれた。怪我をしているどこからそんな力が出るのだろう。思わず痛っと口に出せば、
「＿＿して」
「……え？」
「早く＿＿早く、殺して！！あの化け物を、殺してっ！！！」
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すみれいん(プロフ) - 114話のお話ってあの動画ですよね…！？違っていたら恥ずかしいんですが、この前急いでみたばっかなのでめちゃくちゃテンション上がりました。ありがとうございます。 (2022年7月19日 21時) (
レス) @page22 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - キンコンカンさん» コメントありがとうございます！確かにwwww意図したわけではなかったのですが同列に見えますね……ww (2021年10月1日 13時) (レス) @page50 id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
キンコンカン(プロフ) - 136話のネズミと虫と幹部が同じ価値みたいに並べられてるの笑ったww (2021年9月29日 22時) (レス) @page43 id: 318aa683f9 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - のんのさん» Twitterに興味を持ってくださりありがとうございます！検索しても出てこない……って、何が原因なんでしょうかね……？ちょっと原因がわからないので、url貼ってみますね。 https://mobile.twitter.com/home です。これで無理ならどうしようかな……？ (2021年9月29日 21時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - そらと。さん» はい！お互い頑張りましょう！！ (2021年9月29日 21時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンセットマリン | 作成日時：2021年9月16日 8時
