126話 ページ33
城の空気が、なんとなく澱んでいる。
それは、幹部の皿に毒が盛られたからかもしれないし、自分で命を絶った子がいたからかもしれないし、湖に落ちて消息不明の子がいるからかもしれない。或いは、始まった調査で既に数人の首が飛んだからかもしれない。
ひりついた空気は、元々あった専属メイド同士の争いをも激化させた。あちこちで小さな諍いや言い争い、見ていて気分の良くないイビリなどが起きている。
『淀みが生み出すのは停滞だ。停滞が生み出すのは息苦しさだ』という言葉は確かうちの総統が言った言葉だったが言い得て妙だ。_______もうこれ以上余計な争いや面倒事に巻き込まれせんように、と祈りながら向かうのは、この国の外交官の部屋。
別に私が何かやらかして呼ばれたとか、そういう話ではなく_______メイドの採用通知は彼の口から直接告げられるのだ。部屋から出てこられたら合格、出てこなかったら_______まぁそういうことである。
「失礼します」
辿り着いた少し懐かしい彼の執務室の扉をノックして中に入れば、あいも変わらず何の感情も見いだせない仏頂面があった。表情筋生きてるんだろうか、なんて考えながら彼の前に立つ。黙ったまま待つ。暫く待つ。
たっぷり3分は沈黙が続いて、彼が実は精巧に作られた人形である可能性を考え出した時、ようやくその口が開かれた。
「どういうこと？」
_______いや、何が？？
かろうじて口に出すのは控えたが、表情には出たらしい。苛立った様子で彼が手にしていた書類を突き出してきた。
広げられた5枚の書類には、それぞれパンダ、猫、鮫、狼、それと……あれは、レッサーパンダだろうか？ がデザインされたハンコが押してある。
独特なハンコだなぁ、と思って、そういえばなかむさんの執務室にはパンダモチーフの銀の印章が置いてあったのを思い出す。あれの親戚だろうか？でも、一体なんの書類でなんのハンコ？
首を捻る私に、ぽつりときんときさんが言う。
「俺以外の幹部が、全員君を自分の専属にしてくれって嘆願書を出してきた」
_______いや、何で？？？？？
どうにか口には出さなかったが、流石に「は？」という間の抜けた声が口から漏れた。
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すみれいん(プロフ) - 114話のお話ってあの動画ですよね…！？違っていたら恥ずかしいんですが、この前急いでみたばっかなのでめちゃくちゃテンション上がりました。ありがとうございます。 (2022年7月19日 21時) (
レス) @page22 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - キンコンカンさん» コメントありがとうございます！確かにwwww意図したわけではなかったのですが同列に見えますね……ww (2021年10月1日 13時) (レス) @page50 id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
キンコンカン(プロフ) - 136話のネズミと虫と幹部が同じ価値みたいに並べられてるの笑ったww (2021年9月29日 22時) (レス) @page43 id: 318aa683f9 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - のんのさん» Twitterに興味を持ってくださりありがとうございます！検索しても出てこない……って、何が原因なんでしょうかね……？ちょっと原因がわからないので、url貼ってみますね。 https://mobile.twitter.com/home です。これで無理ならどうしようかな……？ (2021年9月29日 21時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - そらと。さん» はい！お互い頑張りましょう！！ (2021年9月29日 21時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンセットマリン | 作成日時：2021年9月16日 8時
