120話 ページ27
side シャークん
「あなたの足は、一切動かせなくなっています」
医務室で医者にそう告げられた時、そいつを殴って怒鳴りつけたのはきんときだった。
あいつはそんなわけない、嘘つくなって錯乱したみたいに繰り返して、言われた当人の俺が返って冷静になってあいつをとりなした。確かに、その時も足は動いていなかった。
でも、いつか治るかもしれない_______
_______そんな風に思えたのは最初の一月だけだった。リハビリすらできない状態に、段々と、俺は一生この薬臭い医務室から動くことができないという事実が染み込んで、平静ではいられなくなった。
その事実を認識するたびに、八つ当たりのように手当たり次第に物を投げて、壁を壊して、屋根を壊して……人まで壊した。
破壊したところの修繕が甘く、瓦礫が落ちて、たまたま庭にいたメイドの頭に当たって、そのメイドは死んだ。
……不幸な事故だと周りは言ったけど、俺が殺した。
それから、俺は俺の側に近づく人間を極力減らすためにきんときと相談して、特に精神的に不安定になる夜に俺の周りに近寄ることと、自分から俺に触れることを禁止するルールを作った。
そうすれば、誰も傷つかないと思った。そうしたら、そのうちどの時間だろうと俺に近づく人間はいなくなった。
それも仕方ないと思って暮らしていた。それなのに、聞いてしまった。触覚が無くなった分、他の感覚が上がっていたからか、聞こえてしまった。
それは数人のメイドの……多分、俺の専属メイドの声で、
『あぁ、本当に恐ろしい。物を破壊することをよしとするなんて、きんとき様は何を考えていらっしゃるのかしら。まるで化け物だわ』
『怖いわよね……。片付けも大変だし、あーあ、いっそのこと早くお亡くなりになればいいのに。そうしたら私も家に帰れるわ』
『しっ、滅多なこと言うんじゃないわよ、聞こえたら処刑よ。……まぁ、私も、きりやん様やスマイル様の担当が良かったなと思うけど』
そうよねー、というその会話と笑い声を聞いて、腹が立つとかよりも、あぁやっぱり自分は化け物みたいなものなんだ、という事実が苦しかった。そして、暫くぶりに物を手当たり次第に投げていた時。
『ではシャークんさん、ここで一体何を？ストレス発散ですか？』
_______あいつに出会った。
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すみれいん(プロフ) - 114話のお話ってあの動画ですよね…！？違っていたら恥ずかしいんですが、この前急いでみたばっかなのでめちゃくちゃテンション上がりました。ありがとうございます。 (2022年7月19日 21時) (
レス) @page22 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - キンコンカンさん» コメントありがとうございます！確かにwwww意図したわけではなかったのですが同列に見えますね……ww (2021年10月1日 13時) (レス) @page50 id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
キンコンカン(プロフ) - 136話のネズミと虫と幹部が同じ価値みたいに並べられてるの笑ったww (2021年9月29日 22時) (レス) @page43 id: 318aa683f9 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - のんのさん» Twitterに興味を持ってくださりありがとうございます！検索しても出てこない……って、何が原因なんでしょうかね……？ちょっと原因がわからないので、url貼ってみますね。 https://mobile.twitter.com/home です。これで無理ならどうしようかな……？ (2021年9月29日 21時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - そらと。さん» はい！お互い頑張りましょう！！ (2021年9月29日 21時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サンセットマリン | 作成日時：2021年9月16日 8時
