111話 ページ18
「おはよう。約束通りに来てくれたわね。例のものはここにあるわ」
「おはようございます。＿＿ありがとうございます、ハインツさん」
通された昨日と同じ木造の部屋で、差し出された茶封筒を受け取る。中身を確認すれば、驚くほど精密な偽装書類が出てきた。一晩のクオリティではない。驚いて、思わずどうやって？と尋ねると、企業秘密と返ってきた。
「確かに受け取りました。＿＿これで、私は正式にあなたに協力せざるを得なくなりましたね」
「えぇ。わかっているでしょうけど、裏切ったりしたところで貴女にメリットはないわよ？」
「勿論私は一般人なので、そんなことをするつもりは一切ありません。＿＿デメリットの方が大きくなれば、我が身かわいさに洗いざらい吐いてしまう可能性はありますけど」
「そうならないようにするのがアタシの仕事ね。＿＿さて、それじゃあ改めて＿＿
_______アタシの名前は、ハインリヒ・クレスト。WT国の隣国、エステルン王国の王家、ルーンベルン家に仕える人間よ」
エステルン王国＿＿服飾産業とそれに伴って発展した紡績業が盛んな小国の名前だ。小国ながら、紡績業で莫大な利益を得ているため、敵に回すと厄介だと噂される国。
……祖国とは離れた位置にあるため、関わりはほとんどなかったが、この国はそうではないらしい。
「この国とエステルン王国は、1年前までは良好な関係にあった。けど、1年前に急にこの国が戦争をふっかけてきてね。……規模は同じくらいでも、エステルンの軍事力は遙かに劣る。王は、戦う前に降伏を選んだわ。すると、この国はそれを飲む代わりに交換条件を一つ提示してきた。それが＿＿」
“エステルン王国の王女を一人、捕虜としてWT国に献上すること”だったのだという。
……ん？ ってことは……
「………………リリーさんって、王女様なんですか！？」
流石に驚いて叫べば、ハインツさんはここでは公には知られていないけどね、と言う。そして、エステルン王国について教えてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 755人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみれいん(プロフ) - 114話のお話ってあの動画ですよね…！？違っていたら恥ずかしいんですが、この前急いでみたばっかなのでめちゃくちゃテンション上がりました。ありがとうございます。 (2022年7月19日 21時) (
レス) @page22 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - キンコンカンさん» コメントありがとうございます！確かにwwww意図したわけではなかったのですが同列に見えますね……ww (2021年10月1日 13時) (レス) @page50 id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
キンコンカン(プロフ) - 136話のネズミと虫と幹部が同じ価値みたいに並べられてるの笑ったww (2021年9月29日 22時) (レス) @page43 id: 318aa683f9 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - のんのさん» Twitterに興味を持ってくださりありがとうございます！検索しても出てこない……って、何が原因なんでしょうかね……？ちょっと原因がわからないので、url貼ってみますね。 https://mobile.twitter.com/home です。これで無理ならどうしようかな……？ (2021年9月29日 21時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - そらと。さん» はい！お互い頑張りましょう！！ (2021年9月29日 21時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サンセットマリン | 作成日時：2021年9月16日 8時
