84話 ページ38
にしても、そんな人に会話したいから手話を習えと命令されるなんてなんとも恐ろしい。
ボロが出ないようにしなければ、と決意を新たにしたところで、「そんで、これが結構重要なこと何やけど」というソールさんへ意識を戻す。掃除に使うという箒(説明のために出していた)をロッカーにしまいながら、
「雑用も周りの世話も関係なくぶるーく様の担当が一番心がけなきゃいけないのはな、あの方の機嫌を絶対に損なわせないこと、や」
若草色がスッと細められる。真剣な表情だった。
「というのもな、この城でメイドの脱落率が高いランキング、堂々の一位がぶるーく様なんや。脱落って言うのは、文字通り人生からのコースアウトと思っといた方がええ」
「えっと……何故新人の自分がそんな恐ろしい所に?」
「まぁ、直接連れてこられたんじゃない場合大体の新人が通る道ではあるんやけど……でも、多分大丈夫やろ!最後にメイドが脱落したのは半年も前のことやし」
根拠のない自信は何かしらのフラグに繋がるんじゃないかなぁ、とちょっと思ったが、言わないでおいた。
____果たして、その予感は的中することになる。
♢ ♢ ♢
世界から音が無くなってしまったのではないか、と錯覚しそうなくらい、部屋は静まりかえっていた。
視線の先にいるのは、2人の人間。1人は、ガタガタと震えながら跪いているメイドで、もう1人は無言で無表情のままそのメイドの首筋に剣の切先を向ける大柄な男性。この国の幹部、ぶるーくさん。
_____きっかけは、果たして何だったのだろうか。
それは、私にはわからない。わかるのは、跪いた彼女だけだろう。
_______時間は、少しだけ遡る。
748人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみれ - 続編おめでとうございます!この作品とても好きです! (2022年10月23日 21時) (レス) @page2 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あの、ちょいちょき面白くてクスッと笑ってしまう所がありとても好きなお話です。これから続きを読んできます! (2022年7月19日 21時) (レス) @page50 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - めっちゃこの小説が大好きで、この小説を読むでいる時間が一番幸せです(^-^)これからもよろしくお願いします (2021年9月16日 16時) (レス) id: dab527b906 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - スカ一さん» はい、大丈夫です。よろしくお願いいたします。 (2021年9月16日 6時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - サンセットマリンさん» おはようございます、お世話になっております。ご了承頂きありがとうございます。では、今回の件はこれにて終了とさせて頂きたく思います。また、作者名、作品名を伏せて事の経緯の説明を当方の作品内でさせて頂いてもよろしいでしょうか? (2021年9月16日 6時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サンセットマリン | 作成日時:2021年9月7日 18時