. ページ19
.
太陽くんと過ごす時間はあっという間に過ぎてしまう。
気付けば終電が近くなっていた。
『あ、そろそろ帰ろうかな…』
「もうこんな時間なんや…ほな送るわ」
『ありがとう』
太陽くんの家を出て駅に向かって歩く。
人通りが少ない道はとても静かで、なんだか落ち着く。
「今日は久しぶりにAちゃんに会えて嬉しかったわ」
『私も。…あと、今年太陽くんと出会えて良かった』
『最初に会ったときは自暴自棄になってて、もう何もかもどうでもいいなんて思ってたけど太陽くんのおかげで変われたの』
『だから、ありがとう。ほんとに感謝してる』
少し照れくさいけどちゃんと伝えたかった言葉。…ちゃんと言えた。
太陽くんはすごく優しい表情をしてて、それを見てなんだか泣きそうになった。
「俺は何もしてないよ。Aちゃんが元々強い人やからだと思うで？」
『全然そんなことないよ…』
「…俺もAちゃんと出会ってから変われたからお互い様や。ありがとう。」
そう言った太陽くんはスッキリしたような清々しい顔をしていた。
『私なんかでも太陽くんの役に立ててるんだ』
いつも太陽くんに色んなものを貰ってばっかりだと思ってたから、そう思ったら嬉しくて思わず言葉が零れていた。
「そんな風に言わんといてや！Aちゃんと出会ってからほんまに楽しいねん。
地元の友達とか、仕事関係の人とはまた違う感じで話せるから。
息抜き…って言うんかな。Aちゃんとの時間落ち着く。」
『…なんか、嬉しすぎて言葉が出ないや』
太陽くんの中で私の存在が少しでもプラスになってることが嬉しくて、私の思う"特別"とは違うって分かってるけど今までより前進出来た気がした。
「んふふ、本気で思ってるからな？
…来年もよろしくお願いします」
笑顔でそう言って大きな体をぺこりと折り曲げる太陽くん。つられて私も『よろしくお願いします』と返した。
来年は今年より良い１年になるといいな。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さく(プロフ) - おまめさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉…！！先の展開も考えてるんですが、文章力が追いつかず更新遅くてごめんなさい…これからも楽しんでもらえるように頑張ります！ (2019年4月12日 21時) (
レス) id: ca3079185c (このIDを非表示/違反報告)
おまめ(プロフ) - 初めまして！やでちゃんの小説で今とても好きな作品です＾＾やでちゃんはどこでお仕事の事を言うのか、この2人は付き合うのか…とても気になります＾＾ (2019年4月10日 10時) (レス) id: 41bf4850b3 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - 千羽さん» コメントありがとうございます。Twitterの方もフォローしてくださって嬉しいです(*^^*)これからも更新頑張ります！ (2019年3月7日 7時) (レス) id: ca3079185c (このIDを非表示/違反報告)
千羽(プロフ) - タカシくんのお話書いてくれてありがとうございます！あ､Twitterをフォロワーしている者です(笑)いつも更新とTwitterも楽しみにしてます！これからどんなお話になるのか本当に楽しみです。これからも頑張ってください(^O^) (2019年3月7日 2時) (レス) id: 8f4e85b315 (このIDを非表示/違反報告)
さく(プロフ) - にこさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです…楽しんで頂けるように更新頑張ります！ (2019年2月21日 21時) (レス) id: ca3079185c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さく | 作成日時：2019年1月31日 20時
