幼稚な彼女③【須堂夏樹】 (ページ9)

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今日、一日中、夏樹くんと話せずに距離を感じていた。

そんな時に、春菜さんはみんなの前で告白をした。

それは、夏樹くんだけでなく、みんなの心に響いただろう。

そして、それは私に追い討ちをかけた。

夏樹くんが私の遠いところに行ってしまったように感じた。

別に恋人でもないのに、こんなこと･･･

そうか、私は夏樹くんのことが

好きなんだ

あの夏樹くんだけが特別って感じていたのは

好きってことだったんだ･･･

私はそう気づいたとき、涙が止まらなくなった。

演説をしている春奈さんすら見えなくて･･･

私はもうどうすればいいのか分からなかった。

ツバメ「でも、誰かを好きになるってそういうことなのかなって、小さなことで勘違いして浮かれて、もし、告白して失敗したらみんなに笑われる。それが怖くて中学の時は、好きって言えなかった。悔しくて悲しくてずっと後悔し続けた。でも、あの時思ったんだ。もう、こんな思いしたくないって。だから、後で後悔するより、今バカんなろうよ!!あと、１０分バカんなって、体当たりしようよ!!ガチ100％上等じゃん!!」

春菜さんは輝いている。

すべきことに一生懸命で、春菜さんの言ってることは正しいものばかり。

小さいことで勘違いして浮かれて、その言葉は、私に当てはまった。

夏樹くんはずっと一緒にいてくれると思っていた。

なんも根拠なんてないけれど、離れる時が来るなんて考えてもいなかった。

春菜さんの演説が終わると、生徒会のみんなはやる気を取り戻した。

後半の生徒会のみんなの動きは、前半と比べてすごく素早くなった。

私はぼーっとしながら、試合を眺めていた。

試合の内容は、半分も頭に入っていなかっただろう。

その時、夏樹くんと御手洗くんがぶつかってしまった。

生徒会のみんなが御手洗くんに駆け寄る。

「大丈夫かな?」

ぼーっとしながらも、心配が無意識に口に出る。

玲奈「心配しなくて大丈夫でしょ(笑)」

御手洗くんがうずくまって痛がっていると、コート際に他の部活の春菜さんの言う日陰クラブという人たちが並んだ。

みんなは手を挙げて、「チェンジ!!」と言ったのだ。